二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 狼がペットの赤頭巾 【イナズマイレブン】  ( No.883 )
日時: 2011/02/18 21:19
名前: さくら (ID: kEC/cLVA)

企画『私と嫉妬とチョコレート』



「サクラ、今日何の日か知ってる?」

『うん?んーっと、・・・・・バレン、タインデー、』



私は“あぁ。そうか、”とつまらなさそうに呟いた。

今日は聖なるバレンタインデー。女の子が好きな(義理もあるけど)男の子にチョコを渡す日。


フィディオは両手に抱え切れないほどのチョコを持ってニコニコと微笑みながら聞いてきた。


「サクラ、俺に何かやるものあるでしょ?」

『あぁ、フィディオの?無いよ。』

「うん?」


フィディオはさっきの素晴らしい笑顔のまま、黒いオーラを放つようになった。

ってフィディオ!!顔は笑ってるのに目!!目が笑ってない!!


「何?冗談聞かないよ、俺は。さっき守達にもあげてたじゃん。」

『どうせフィディオには要らないでしょ。そんなにチョコ抱えてさ。』

「違うよ。君のチョコは特別なんだ。俺はサクラのチョコが欲しいんだよ。」

『その台詞、私を入れて何人目ですかー?』


“どうせフィディオは女の子を口説く事なんて簡単なんだから”と付け足して言うと、突然フィディオは近くにあったイスに抱えきれないほどの量のチョコを置いて、近づいてきた。


「ね、ねぇサクラ。・・・・・・・・それってもしかして、・・・妬いてるの?」

『・・・・・へ?』

「だってさ、良く聞けばこれ、俺があんなにチョコ抱えてたから言ってるんでしょ?」

『・・・、』

「俺、勿論他の子のチョコも嬉しかったんだけど、やっぱりサクラのチョコが1番欲しいんだよね、」

『・・・・・うん、』

「・・・。まさかサクラが嫉妬してくれるなんてな。思わなかったよ、」



“でも俺、嬉しいなぁ、”なんて、さっきよりもずっと、ずーっと良い笑顔で笑いかけるフィディオを見たら、あれ?目から何かが。


「あ、ちょっと!!サクラ何で泣いてるんだよ!」

『だって、フィディ、オッがぁ、うぅ、あんまり、嬉しい事ば、っかり、言うからぁ・・・!!』

「だって本当の事だし、」


丁度私も落ち着いてきた時、フィディオが私の背中を摩るのを辞めた。


「あーあ。サクラのチョコ、食べたかった、」

『ごめん。フィディオが他の女の子からチョコ貰ってるの見て、ヤキモチ妬いちゃって・・・・・。さっき食べちゃった☆』

「はぁ!?あーもう、来年までお預けなんて酷くないか?」

『でも実はもう一つ、残ってるんだけどなぁ・・・!!』


そう言って、私は最後のチョコを口の中へ放り投げた。

途端に、甘い甘い、チョコの味が口いっぱいに広がる。それを見たフィディオが声にならない悲鳴をあげた。


「あーッ!!最後の一つ!!」

『いいでしょ。フィディオにはいーーーっぱいあるんだから。・・・それにあんまり美味しくないかもしれないし。』

「いいや、サクラのは絶対に美味しいって!!・・・分かんないけど。」


『うっわー酷い!もうフィディオ何て知らない!!』

「嘘嘘!!冗談だってば!美味しいよ!!」

『それ実はジュリアとアンヌさんと作った。』


***
洋菓子作りが大好きなアンヌさんと、マークにあげるためのチョコを作ろうとしたジュリア様と一緒に作りましたw
でもジュリア様は最終的に失敗し、蒼い石と薄いピンクの石がはめ込んであるペンダントにしたという設定で。(「わたせか」の“ココロからの感謝”から。)