二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.207 )
- 日時: 2011/01/31 16:16
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: PdKBVByY)
———カァァァァッ!
「っ!?」
マルヴィナを包み込んだ、“光”——それは、マルヴィナの腰に吊る、リッカから譲り受けた、
あの使い物にさえならなさそうな剣から発せられたもの。
青白く、神々しく光る。昏睡状態だったマルヴィナの身体が動いた。ゆっくり立ち上がり——開眼する。
驚愕の表情が向けられている。マルヴィナは一瞬きょとん、とし・・・そして、気付いた。
「っ」
今、自分が、するべきことに。
目の前に病魔、一対一。相手は固まっている。病魔でも、驚くのか? ・・・いや、違う。
[この止まり方は]・・・・・・!
(今、)
マルヴィナは本能的に、剣を手に取った。
光の消えたあの剣は、前より若干綺麗になっていたものの、やはりまだ使えそうになかった。
病魔の焦りが見える。[動けない]。動かないのではなく。何かに、止められているように。
(——っだ!!)
もう、躊躇う感情はない。人を苦しめ、あざ笑う魔物に、天罰を——マルヴィナは叫ぶ。剣を振る。
そして——
——斬る!!
〈 —————————————————————— 〉
病魔が叫ぶ。人間の言葉では表せない、断末魔の、叫び。
「・・・っ治りましたよ!!」
ルーフィンがようやく口を開く。四人は頷いた。全員で、意識を集中させる。
「悪しき魂よ・・・再び、 永久_とこしえ_ の眠りにつけ!!」
示し合わせたわけではない。だが、四人も、ルーフィンも、導かれたようにそう叫んだ。
病魔が——
封印された。
「————————っ」
どくん、と。
(・・・な・・・また、だ・・・?)
戦いは、終わる。
だが、マルヴィナの心臓が、その瞬間・・・脈打った。嫌な感じに。
マルヴィナは知っている。この脈打ち方、普通なら絶対にありえないこの打ち方を。
(イシュダルが死んだときと・・・レオコーンが昇天した時と・・・同じだ)
その時も、マルヴィナの心臓は脈打った。誰にも言ったことはなかったし、あのときはそう気にもしなかった。
(・・・一体、何・・・?)
「——おー、倒したねマルヴィナ。とちゅーでグースカ寝ちゃったときは焦ったよ、マジで」
いきなりサンディ登場。一体どこにいたんだ。
「・・・で、天使だからだいじょーぶだとは思うけどさ、・・・ヘンなビョーキもらってないよね? マジ」
「・・・多分」
当たり前だろ、とは、言えなかった。病気? ・・・いや、違う。
これは——
「ふーん。ま、いいケド。・・・ところでさぁ、アンタがねちゃったとき、ヘンな声したじゃん? 聞こえた?」
「声・・・?」キルガ、セリアス、シェナが首をかしげる。
「したじゃん! どー考えてもピンチじゃないー、とか、ムダにチカラ使うわけにもいかんー、とか」
「・・・・・・・・・・・してないよ、そんなの」
「うん。してないしてない」
「え? うっそ。・・・あー、コレだから天使モドキってヤッカイなのヨ。絶対したんだからね!!」
サンディは叫んで、プイ、と横を見る。
「・・・・・・・。とりあえず、もどろっか。・・・ルーフィンは?」
「あ、この奥。名前のない王様の墓調べるとかなんとか言ってた。・・・で、先戻ってろだって」
「・・・結局そーなんのか・・・」
マルヴィナはため息をついた。
四人は町長に病魔封印完了を伝えるべくべクセリアに戻る。
・・・しかし、戻った時に見たのは——
エリザの、亡き骸だった。