二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.238 )
- 日時: 2011/02/18 17:57
- 名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: PdKBVByY)
「ここって、ダーマ神殿?」
戻りまして、青い木(Chess: 今“青い木”が“青息”になった・・・)。
シェナが崖の上に立つ建物を見て、言う。
「ダーマ神殿?」
「そ。転職が出来るんだって」
「転職?」
「うん。たとえば、旅芸人から武闘家、とか、戦士、とか魔法使・・・って柄じゃないか」
「余計なお世話だしかも好きで旅芸人になったわけじゃない」
早口で一気に言い済ませるマルヴィナ。
「・・・む? じゃもしかして俺、ここで戦士からバトルマスターになれたりする?」
「なれるわよ。もちろん」
「詳しいねシェナ」
「そりゃ、賢者ですから。ダーマ大神官は賢者の一人なの。・・・セリアス、転職はタダよ」
財布の事情を確認し始めたセリアスに、シェナは苦笑した。
「そなのか?」
「・・・とりあえず、行ったほうが早そうね」
一同は神殿に足を踏み入れる。
ちなみに、サンディは天の箱舟にて、壊れた部分と格闘していた。
神殿のある崖上に行くために、四人は長い長い階段をひたすらのぼる。
「362、363、364、3・・・ちょセリアス危ないっ!!」
セリアス、バランスを崩す。
だが、さすがはセリアス、持ち前のしぶとさでなんとか足を地面に残す。
肝を一気に冷やされたキルガとシェナは微妙な表情で溜め息をついた。
「・・・再開するか。えっと・・・何段だっけ?」
「知らないわよ。368くらいじゃないの?」
三段ずれている。
「そっか。えっと、369・・・あれ? ここが368? それともこっち?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数えるの自体やめたらどう?ここの階段は673段よ」
知ってんなら先に言え、と言わんばかりの視線をシェナに送る(が、見事に無視された)。
ようやく673段と言う中途半端な段数の階段を上り終えると、まずそこに立っていたのは二人の神官である。
現れた四人の若い旅人たちを見て、神官は右手を左胸に当て、頭を垂れた。
天使界では“光栄です”を表すが、人間界ではそうではないようだ。
とりあえず四人は止まり、神官の言葉を待つ。
「ここは転職のすべてを司る神ダーマの眠る地」
「ようこそダーマ神殿へ。・・・転職をご希望ですか?」
真っ先に頷いたのはやはりセリアスだ。隣でシェナが、当たり前でしょ転職の神殿なんだから・・・と呟く。
「・・・そうですか。それでは、どうぞ中へ」
神官は道を開ける。セリアスが進み、マルヴィナも倣う。セリアスはともかく、彼女は少し首を傾げていた。
「・・・キルガ、なんか・・・おかしくない?」
そのマルヴィナの後ろ、神官を抜いたところで、シェナがキルガにささやく。
「・・・あぁ。妙に・・・拒絶されているような気がする」
「・・・何で? ・・・もしかして、転職の儀式する人、いなかったりして」
シェナの予想は完璧に当たっていた。