二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 ( No.73 )
日時: 2010/12/02 17:18
名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: 0aWCrLC6)

 叫んだのはいいが。

 当の本人、リッカはセントシュタインに行く気はないらしく、
それでもルイーダは宿王が去った今宿はピンチだと言い張る。
 宿王ってなんですかとリッカが聞けば、
並みいるライバルを押しのけ宿屋を大きくしたまさに宿の王、それがロベルトだと言う。
 だがリッカはそんな父親、性格からしてありえないと答え、対しルイーダはそれが事実だから・・・

 ——といった、聞いていて唖然とするような議論(?)が行われていた。実際、聞いていたマルヴィナは唖然とした。
 結局時間は夜となり、リッカが夕飯を作らなければといって出て行ったところで話合いは中断した。
 ちなみに、「絶対行きませんから!」の一言を残していっている。
「むぅ〜・・・なかなか頑固ねぇ」
 あなたがいえることじゃないと思う、とは賢明にもマルヴィナは言わなかった。
「長期戦になるかな」
 充分長かったです、とはやはりマルヴィナは賢明にも言わなかった。
 とりあえずマルヴィナはリッカを追い、彼女の家へと走った。


「——?」
 そして、気付いた。
 その、リッカの家の前に、あの、幽霊のおじさんがいることに——
「・・・・・・。あの」
「うひゃうっ」
 何気なく声をかけただけなのにかなり驚かれ、マルヴィナまでもがびくりとする。
「・・・ヘッ? あなた、私が見えるんですか? 私とっくに死んでいるんですよ!?
——って、そういえば遺跡であった時も私に気付いたんですよね・・・」
「ええ、まぁ」
「ところで、貴女は?」
 マルヴィナは一つ息を吸うと、言う。
「人に名前を聞くなら、まず自分から名乗りなさい」
「お・・っと。これは失敬。私はロベルト、リッカの父親です」
「・・・・ああ! そうだったんだ! へえ・・・っと。わたしは、マルヴィナ。リッカにはお世——」
「マ、マルヴィナさん、ですって? まさか貴女、新しい守護天使様——」
 その時。

「そこ、ちょぉぉぉおおっと待っっったああああぁぁああっ!!」

 何かの声がした。