二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 平助’sエピソード 〜薄桜鬼〜 ( No.17 )
- 日時: 2010/09/04 21:20
- 名前: 桜架 (ID: q9W3Aa/j)
エピソード参『伝えられない・伝えたい』
〜千鶴side〜
・・・・はっきりいって、来なければよかったっ!?
島原には一回、潜入捜査で行った事があった。(※詳しくは薄桜鬼で☆)
そのときは私が芸者でみんなにお酒を配っていたけど、今日は違う。
ほかの芸者さんたちが振舞っていた。
そして話は戻って、なぜ来なければよかったかというと・・・・。
私は平助君の方をチラッと見た。
・・・か、囲まれてる?!
平助君は2,3人の女の子たちに囲まれて楽しそうに喋っていた。
前に一度、平助君に言われた言葉がある。
『俺は“酒”が目当てなんだ』・・・・と。
なのに・・・・。 平助君も女の人目当てなんだ!!
ひとり嫉妬しながら、手元にあった飲み物を一気に飲み干す。
・・・、コレ、お酒?!
「ケホッ・・・」
初めてのお酒で咽てしまう。
それに気付いた原田さんは「大丈夫か?千鶴」と背中をさすってくれた。
「大丈夫です」といいながら、私は笑って見せた。
「外に行って風にでもあたってくるか」
「・・・・はい」
私は原田さんの言葉に素直に頷いた。
だって、平助君のあんな姿、・・・・見たくないから・・・。
「夜風、 気持ちいいですね」
「そうだな」
隣で優しく笑う原田さん。私も思わず笑みをこぼした。
すると、原田さんの頬が少しずつ赤く染まっていった。
・・・・? どうしんだろう、私、何かしたのかな?
首をかしげてみせると、原田さんはボソッと呟いた。
「平助が惚れるのも、無理ないわな・・・・」
「・・・・え?」
よく聞こえなかった・・・。
原田さんは「いや、なんでもない」と苦笑いを浮かべてから言葉を紡いだ。
「お前、無防備すぎるのも良くないぞ?」
原田さんはそういって、私の頭を優しく撫でる。
私は原田さん言ってる意味がイマイチわからなくてキョトンとしていた。
「で?今度はどうしたんだ?」
「・・・・え?」
「いきなり自棄酒なんて、千鶴らしくねぇだろ?
もっとも、お前、酒飲めないしな」
・・・・見られてましたか。
誰かに見られていたことに恥ずかしくなってくる。
誤魔化そうとしたけれど、真剣な眼差しにそれを押しとめられてしまった。
原田さんに相談した方がいいのかもしれない。
新撰組でもっとも良心的な原田さん。きっとのってくれるはずだ。
わたしはすべて正直に話した。
「——つまり、嫉妬してたってことか」
「・・・・はい」
話したはいいけど、恥ずかしくてつい俯いてしまう。
原田さんは私の反応に笑いながら声を掛ける。
「恥ずかしがらなくても平気だって。ま、それは心配しなくて大丈夫だしな」
・・・だ、大丈夫なコトなのかな?
私は原田さんを静かに見つめる。
「あぁ、大丈夫だ。だから、気にするな」
「・・・・ハイ」
私は納得もいかないながらも、頷くしかなかった。
原田さんはため息を吐くと、クシャクシャと頭を掻く。
「アイツもアイツだよな。 しゃあねぇ・・・」
「・・・原田さん?」
今度はなんだろう??
またもききとれなくて再び首を傾げる。
すると、不意に手首をつかまれ・・・
「平助を驚かせにいくぞ」
「え・・・っ?!」
それはどういう意味ですか?!
私はただ原田さんに引っ張られていった・・・・。