二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 平助’sエピソード 〜薄桜鬼〜 ( No.44 )
- 日時: 2010/09/18 18:24
- 名前: 桜架 (ID: q9W3Aa/j)
エピソード四『久しぶりの再開』
〜平助side〜
久しぶりに会ったかと思えば、風間と千姫の間に子供が出来たらしい。
そんなの俺聞いてねえーし!!
・・・・あれ?千鶴から聞いてたような・・・??
「お前は変らず、アホ面のまま、か・・・」
「お前も相変わらず嫌味な奴だな。 ・・・アホ面ってなんだよ?!」
「聞くだけ無駄だ。お前には一生わからんだろう」
「んだとっ・・・・」
今にも掴みかかりそうな俺を、千鶴が制止する。
「平助君、落ち着いて! お昼の準備できたから!」
「ふん」
・・・コノヤロォーー??!まじでムカツク野郎だ・・・っ!?
何がふんだっ。
風間の後姿を思いっきり睨む俺の隣で、千鶴はただクスクスと笑っていた。
「千鶴ー、おかわりくれるか?」
「うん。どのくらい?」
「大盛りっ」
千鶴は嬉しそうに頷きながら、茶碗にご飯をよそう。
相変わらず千鶴の作る飯はうめぇよな・・・・。
俺って本当に幸せ者だ・・・。
そんなことを思うと、ひとりでに頬が緩む。
その様子を千姫が笑みを浮かばせながら見つめる。
「あ、風間さんもおかわりいかがですか?」
「いらん」
風間ははっきりとそういい捨てて、部屋を出て行ってしまった。
千鶴を見てみると、すごく悲しそうな顔をしていた。
普通だったら慰めなきゃいけない所だけど、可愛いからあえて慰めない俺。
相当重症かもしれない・・・・。
昼飯を食べ終わった後、千姫に話しかけられた。
「藤堂さん」
「ん?なんか用か?」
千姫から喋りかけてくるなんて珍しいことだった。
・・・俺、なんかしたか?(なんでそうなる)
「前から気になってたんだけど・・・・
・・・・・、千鶴ちゃんと、祝言は挙げないの?」
「・・・は・・っ?!」
いきなりの質問で顔が赤くなってしまった。
「ねぇ、どうなの??」
「えっと、・・あ・・・ぁ・・・」
んなこと、考えたことなかった。
俺はただ、千鶴のそばに居られれば・・・それでよかった。
・・・それ以上のことを望んだら罰があたるんじゃないか?
「・・・・今の関係のままでいいの?」
「別に、・・・俺はアイツが、千鶴が傍に居てくれればいいけど」
俺の言葉を聞いて、千姫は微笑む。
「欲がないのね」
「いや、十分俺は我侭だよ。
ずっと、あいつの傍で生きて生きたい・・・・」
「・・・・それは誰だって願うことじゃないかしら?
私だってそうだもの。 ・・・風間と永久に生き続けたい」
俺は千姫の話に、思わず耳を傾けたしまう。
一緒に、・・・永久に生き続けたい———
それは誰もが思うこと。
そういえば、一回、千鶴とそんな感じの話をした気がする。
“確かに離れていくかもしれないけど、
俺はずっと、おまえの傍に居続けるから・・・——”
と、俺は約束をした。
「だから、形に残しておきたいから・・・・。
“祝言を挙げたい”“子供を生みたい”って思うの。
・・・・藤堂さんはそう、思わないの?」
「・・・子供とかは考えたことなかったけど、
俺たちの一緒にすごしてきた日々を、何か形にして残したいとは思ったことはある」
けど、一緒にすごしてきた日々を形にするのは記憶だ。
そんなことはとうに分かっているから、俺たちは毎日を幸せを感じながら一緒にすごしてきた。
「・・・・・そう。じゃあ、今のままでいいの?」
「別に祝言を挙げても挙げなくても、俺たちは変らない。
別に挙げたくないわけじゃない。
・・・・むしろ、そういわれると挙げたくなる」
「・・・・あとは千鶴ちゃんの気持ち次第ということか」
「あぁ・・・」
俺は静かに頷いた。
傍に居られるだけで幸せな俺に、これ以上の幸せを貰ってもいいのだろうか?
罰は当たらないのだろうか?
——お前と夫婦になることが・・・
俺は、お前を愛してる・・・———