二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 平助’sエピソード 〜薄桜鬼〜 ( No.49 )
- 日時: 2010/09/16 18:36
- 名前: 桜架 (ID: q9W3Aa/j)
エピソード四『久しぶりの再開』
〜平助side〜
「千鶴・・・・」
「ん?」
頬に添えてある手で、オレは優しく千鶴の頬を撫でた。
千鶴はオレを見つめて首を傾げる。
「・・・・・あのさ、オレと・・その」
「うん・・・?」
ヤッベー・・・。なんか恥ずかしくなってきた。
ひとりでに頬を赤らめる。そんな自分が情けない。
添えていた手を自分の頭へ持っていき、グシャグシャに掻いて照れを隠す。
その様子をクスっと笑う千鶴。
ひとつひとつの反応を確認するオレは、本当に千鶴しか見えていないんだなと実感する。
恥ずかしさを隠すように、オレは額同士をくっつけた。
もちろん、顔の赤さを隠すため。
至近距離で頬を赤らめる千鶴はやっぱ可愛くて、
オレにはもったいないと思う。
本当・・———
「大好きだ、千鶴——」
「えっ、え・・・////?」
いきなりの言葉に更に顔を赤らめて焦る千鶴。
その反応可愛すぎだって。
オレは笑いながら次の言葉をゆっくり紡いだ。
「オレの嫁さんにならないか? もちろん、お前が嫌だっつーならいいけど」
「えっ・・・・?」
千鶴は意味が分かっていないのか、目をパチクリさせて、見開いていた。
だからオレはもう一度言った。
「オレの嫁さんに、ならないか?」
「およめ、・・さん・・・・」
だんだん千鶴の瞳が涙で埋まってゆく。
いまにも流れ出しそうなその雫を、優しく手で拭っていく。
「今の幸せを、記憶じゃなくて・・・形にしたいんだ」
「へいすけ、君・・・・」
千鶴の涙は止まずに、次々と頬を伝っていく。
オレは拭うのをやめて、唇をまぶたに寄せた。
千鶴の肩が揺れる。
オレはそのまま千鶴を抱き寄せた。
ちょうど日が暮れる。
オレと千鶴がオレンジ色に、鮮やかに染まる。
涙で濡れた千鶴の姿が、とても綺麗に映し出されていた。
「私を、平助君のお嫁さんにしてください」
千鶴の言葉を聞いて、オレは顔を覗き込んだ。
涙の雨が止んだわけではないけど、
そこには艶やかな優しい笑顔があった。
オレは返事の代わりに、静かに距離を詰めた。
それに応えるように、千鶴はゆっくりと瞳を閉じた。
夕日が沈む瞬間、俺たちは誓いの口付けをした。
この口付けは、一生に一度のもの。
オレは今日のコトを一生忘れない。
たとえ、この身が滅びようとも、頭に焼き付けておく。
愛してる・・・———
その日、俺たちは“夫婦”になった・・・・———