二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 平助’sエピソード ( No.5 )
日時: 2010/09/01 12:58
名前: 桜架 (ID: q9W3Aa/j)

エピソード壱『それから・・・』



「千鶴ー、置いてくぞー」

「今、行く!!」


出かける気満々の平助。千鶴は準備に手間取りながらも慌てて平助の隣に来る。


「んじゃ、行くか!」

「うん!」


二人がはしゃいでるわけは、


「久しぶりだね。原田さんたちと会うの」

「そうだな。左之さんと新八っつぁんに会うの・・・楽しみだな」


頬を緩ませて無邪気に笑う平助。千鶴もその隣で頬を緩ませた。
今日は久しぶりに左之と新八とあう日。
総司は病気で亡くなってしまい、土方と一は戦死・・・。
再会を祝えるのはもう二人しか居ないのだ。
だから二人はそれだけでとても嬉しいのだ・・・・。



...とある居酒屋...


「ようっ!久ぶりだなあ、二人とも!!」

「永倉さん、お久しぶりです!!」


再開するなり新八は平助の頭をグシャグシャに掻いた。

「ぃててて・・・っ、新八っつぁんいきなり何するんだよ!?」


平助が新八のグリグリから逃げ切ったその時、
ガシッと平助の頭に誰かの手がのった。


「あんまり騒ぐなよ。・・・・久しぶりの再会だぞ?」

「左之さんっ」


平助は驚きの反面、とても嬉しそうに頬を緩ませた。


「おい平助。なんで俺と左之で反応が違うんだよ?」

「新八っつぁんが俺をいじめてくるからだろ・・っ」

「何言ってんだ。あれは俺の愛情表現・・・——」


言い争う二人を尻目に左之は千鶴に声を掛ける。


「久しぶりだな。元気だったか?」

「はい。 元気そうでなによりです」


千鶴と左之が楽しそうに喋っていることに気付いた平助は
ムスッと頬を膨らませて、左之と千鶴に近づいた。

「ちょいちょい左之さん。千鶴に近づき過ぎない?」


左之と千鶴はキョトンとした顔になる。
しばらくして、左之はニヤッと悪戯な笑みを浮かべて・・・。


「なんだぁ、平助。嫉妬か?」

「なっ・・・?!///そんなんじゃねえよ!!!」

「・・・嫉妬?」


焦る平助とは裏腹に、千鶴はイマイチ意味がつかめてなかったみたいだ。


「千鶴ちゃん、・・嫉妬の意味、わかんねえのか?!」


無駄に声のボリュームを上げて言う新八。
千鶴は「いえ・・」と少し焦ってから言葉を紡いだ。


「嫉妬の意味はわかります。・・ただ、平助君が何に嫉妬してるのか・・・・」


千鶴がそこまで言うと、三人は呆然としていた。
(えっ?なんか変なこといったのかな??)
一人焦っている千鶴をおいて、左之と新八は笑い始めた。
平助はというと、顔が赤いまま。


「よかったなあ、平助。千鶴ちゃんが天然で」

「ま、そこが可愛いとこだけどな」

「かわ・・・っ?!///」

「左之さん!!」

「俺は本当のことを言っただけだぞ?」


しれっと答える左之。 だけどどこか意味深な笑みを浮かべていた。
その笑みは、新八しか気付いていなかった・・・・。










エピソード壱『それから・・・』完