二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 平助’sエピソード ( No.9 )
- 日時: 2010/09/02 16:24
- 名前: 桜架 (ID: q9W3Aa/j)
エピソード弐『現代☆バージョン』
「じゃあ行って来る」
スーツの様な制服をピシッと着こなす土方。(大学2)
「「「行ってらっしゃい」」」
三人揃って見送る。
お父さんはいまだにピンクのエプロンを着ていた。
「・・・お父さん、今日は剣道のコーチないの?」
「む?しまった!?今日は早いのだった?!」
お父さんは着ているエプロンをすばやく脱いで、
荷物を持って、
「戸締りをよろしく頼むな」
それだけ言って家を出て行ってしまった。
家の中は総司と千鶴、二人だけになってしまった。
その時、総司のケータイが鳴る。
総司はズボンのポッケからケータイを取り出した。
メール内容を見た総司はニヤッと笑った。
それに気付かない千鶴は、不思議そうに問いかけた。
「誰からだったんですか?」
「ん? 一君からだよ。今日は用事で早く行くんだって」
「そうなんですか」
千鶴はそれだけいって、用を終えたとばかりにリビングに戻った。
総司も後に続いてリビングに戻る。
それに気付いた千鶴は首を傾げた。
「行かないんですか?」
「うん。めんどうだし」
その言葉に千鶴は軽く顔をしかめる。
「斉藤さん待ってますよ?」
「僕、行かないって送っといたから大丈夫だよ」
「じゃあ、私はもう行きますよ?」
鞄を肩にかけて、玄関に向かおうとする千鶴を引き止める総司。
「一緒にいこうよ、千鶴ちゃん」
「・・・いいですけど、平助君もいますからね」
ニッコリ笑う千鶴は、何処か嬉しそうに笑っていた。
裏腹に総司はバツが悪そうに表情を歪ませた。
「そろそろ来ると思いますよ」
千鶴の言葉と同時にインターホンが鳴った。
千鶴は「平助君だ!」といって画面を見る。
画面にはピースしながら笑う平助の姿があった。
総司は無表情で画面を消す。
「総司さん?! 何消してるんですか!」
千鶴は頬を膨らませながら総司の顔を見上げた。
総司はニッコリと笑みを千鶴に見せるが、目が笑っていなかった。
「僕は二人で行きたいんだけどなぁー」
甘えた声を出す総司に、千鶴は少なからずドキッとした。
その証拠に顔がどんどん赤く染まっていく。
どんどん距離を縮められて、体が密着するその寸前・・・
「総司?! 千鶴になにやってんだよ?!」
平助がリビングにやってきた。
総司は悪戯な笑みを浮かべながらも、不機嫌な声で呟いた。
「見てわからない?キスだよ」
「・・・・なっ///?!」
顔が真っ赤になる平助。それと同時に拳が震えていた。
「総司、・・・てめぇ・・っ」
平助の怒りに気付いた千鶴はすぐに焦って答える。
「大丈夫だよ!からかわれてただけだから!!」
「ね?総司さん」と千鶴は笑顔で総司に相槌を求めた。
しかし、総司から返事はこなかった。
二人はしばらくの間、火花をちらしていた・・・・。