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真咲のリク

「帰り道」

校庭にチャイムが響き渡る。
私はいつもこのチャイムを聞くとテニスコートからダッシュで部室に向かう。


だってそうでもしないと間に合わないから。


あなたと一緒にいられる時間に。

私はいつも部室についたら猛スピードで着替えて靴を履き替えて部室を出る。
部室を出てからも走り続ける。

校門が見えてくるといつもあなたはそこにいる。
壁にもたれてポケットに手を入れて。

爽（修也！
校門に近づいたらいつもこうやってあなたを呼ぶ。
そうしたらあなたはこっちを向いてポケットから手を出す。
私が校門についたら何も言わずに歩き出す。

爽（修也待ってよ！
息を切らしながら修也の隣について歩き出す。
爽（今日部活どうだった？
いいもと同じ質問。
豪（聞かなくてもわかってるだろう。部活中ほとんどこっち見ていたし。
爽（まあ……そうだけど……。ってなんで見てたの知ってるの？まさか修也もこっち見てた？
意地悪そうに聞いてみる。

豪（そういうわけじゃ……
修也が困っている。珍しい。
爽（ホントに？
また意地悪してみる。

豪（見てない……多分。
多分って……認めてるようなものじゃん。

爽（ふーん……
少し静かになる。
しゃべらないと。
修也からしゃべってくれることなんて無いから。
何をしゃべれば……

豪（爽夏。
急に修也がしゃべり掛けてきた。
あんまりないこと。

爽（何……？
豪（日曜日……部活久しぶりに休みなんだが……テニス部も休みか……？
途切れ途切れに修也がきく。

日曜日……確か……
爽（休みだけど……どうしたの？
こういうことを聞くのは……
いや、期待しない方がいい。
これで外れたら悲しすぎる。

豪（いや……日曜日暇だったら一緒に……
どんどん声が小さくなっていく。

爽（暇だったら？
豪（あの……
声が小さい。聞こえにくい。
爽（修也？

豪（日曜日……暇だったら買い物行かないか？
急にはっきりと聞こえた。
でもホントにそう言ったのか心配になる。
買い物？それって……

爽（デートって……こと？
豪（……
返事は無かった。
ホントに？修也がデート？私と？

爽（行っていいの？
修也に聞く。
豪（あぁ……。

嬉しい。
どうしよう嬉しすぎる。
日曜日……あと４日
４日って長すぎるよ……
早く来ないかな日曜日。