二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ホヒンダ村だより-迷える子羊達- ※結果発表☆ ( No.246 )
日時: 2011/01/31 17:46
名前: †*゜・.李桃木.・゜*† ◆/kwqsmdJDQ (ID: yMcAY8PJ)
参照: さよりんSIDEに戻ります

41話[ *—頼って欲しいよ—* ]


あたしは、家に着いてから、何か落ち着かなかった。
だから、今帰ってきた道を、急いで引き返した。

どうしてだろうね?

自分でも分かんないや。

数分歩くと、シェルの姿が見えた。


「 シェ……ッ 」


呼ぼうとしたけど、やめた。

関わったらいけないような気がした。
触れたら、壊れてしまいそうなくらい、脆くて、
今の状態を保っているのがやっと、という感じだった。

今のあたしに、何ができる?
どうすればいい?

あたしはどうすることもできない自分に腹が立った。


「 あたしは……、あたしは、どうすればいい……? 」


目の前に、苦しんでいる人がいるのに。
それも、大切な友達だというのに。

手を差し伸べることさえできないの?

自分の非力さが身にしみる。
何も出来ない我が手をギュッ、と握り締める。


「 シェ、ル…… 」


もう、限界だ。
あたしの辞書に見て見ぬフリなんて言葉、のってなかったよ。

あたしの体が、自然とシェルのほうへ行く。


「 たすけてよぉっ…… 」


シェルの声が、風にのって、あたしの耳に伝わる。

苦しかった、ううん、苦しんでいるんだろう。
見るだけで分かるもん。

あたしを、頼ってよ……


「 ……シェル 」


あたしの口が、勝手に開く。


「 さっ……!!? 」


シェルが『さ』とだけ言う。
あたしがはっきりと見えていないのかもしれない。


「 帰ろう? 」


『あたし達』の居場所はこんな草原じゃない。

もっと、もっと、別の場所。

あたし達の居場所へ、帰ろうよ。


「 ……うん 」


シェルが言う。
きっと、頑張ってるんだよ。

見えない場所で、きっと。

差し伸べた手にシェルが手をのせる。
あたしはグンッ、と手を引っ張った。


「 ありがとう……『さよりん』…… 」


たった一言なのに。
それでも嬉しいよ。

もっと頼っていいんだよ。

あたしにも、苦しみを分けて。

一緒に、いよう?
帰りたくないのなら、ここにいればいいんだから。

答えをすぐに見つけろ、なんて言わないよ。
一緒に探そうよ。


ね?

シェル……


41話☆終

=====作者より=====

どもども、李桃木です!
部活でなんともヤバい絵を描いてきましたw

交換ノートが渡ってきたけど、何を書けばいいのやらw