二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ホヒンダ村だより—迷える子羊達—*オリキャラ募集中* ( No.396 )
日時: 2011/02/11 22:34
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: yMcAY8PJ)
参照: http://ameblo.jp/short-inamori/

69話[ *—大好きな貴方へ—* ]


平和な午前中も幕を閉じ、もう午後に入ったところだ。
お昼も食べ終え、後は————……

1時になったら、チョコを渡すだけ。

ただそれだけなのに、もう今から緊張するよ。
チョコを作ってる間は、そんな風に思ってなかったのに。

何でだろうね。


「上手く、渡せるかなぁ……?」


緊張して渡せなかったら、どうしよう。
何も言えなかったら、どうしよう。

心の奥底から、不安がふつふつと込み上げてくる。


「ううん、大丈夫、絶対に」


あたしは、自分で自分に言い聞かせ、
自室へ行く。

部屋に入ってまず目に付いたのは……そう、
ジェーンへのチョコ。

喜んでくれたらいいなぁ……

もう時刻は12時45分を差していた。


「行かなきゃ」


あたしは、部屋にあるチョコを手に、駆け足で下へ降りる。

下へ降りると、もうジェーンはいなかった。
もう海へ行ったのかな、と勝手な想像をする。

上手く、いくよね!


「そろそろ、1時かも……!!」


あたしは今までより足を速める。
待たせたら悪いよね。

数分後……1時きっかりになり、あたしは丁度海へ着く。

ザザーン、という波の音だけが響く。
そこに、ジェーンはちゃんといてくれた。

それだけでも、十分嬉しかった。
約束を、守ってくれて。


「あ、さよりん」


ジェーンがこちらに気付く。
あたしは早足でジェーンのいる方へ行く。

一歩一歩に、緊張してしまう。
一歩足を踏み出すたびに、心臓が高鳴る。


「ジェーン、今日が何の日か……知ってる?」

「えっと……2月14日は……バレン、タイン?」

「うん……」


あたしは、持ってきたチョコを差し出す。

ジェーンは少しだけ驚いていた。


「その、チョコ作ってきたんだ……っ、

 えっと、あの……」


ふと、午前中の会話が蘇る。

あのときの、シェルの言葉が。

好き……って、言える?
ううん、言わ、なきゃ……っ!


「あたしは、その……ジェーンが、好き、だから……」


自分でも体温が上がっているのが分かった。

あたしは、顔を真っ赤にして俯く。


「え、えっと……あり、がとう……」


対するジェーンの顔も、赤かった。

でも、よかった、喜んでくれて。
思いっていうのはきっと、行動や言葉で表さなきゃ、
伝わらないから。


「ホワイトデー、絶対に、返すよ……」

「う、うん……!」


お互いに見れない顔。

でも、思いはちゃんとに伝わるから。

それだけで、十分。


「えっと、じゃあ、戻ろう……?」

「う、ん……」


あたしたちは、2人で一緒に帰った。

そしてその後、何もなく、平和に一日が終了した。

明日、かもしれない。

けど、あたしは立ち向かう。
2人と一緒にいるために……、


69話☆終

=====作者より=====

10時を過ぎてもまだいます!
70話も今日のうちに更新したいです。

バレンタインは69話でちゃんとに終わりました。

ということで!
ムードは一気に変わります!

シリアスですよ!
新しいキャラも出ちゃいます!
おっと、これ以上は流石にヤバいですよね。
ではでは!