二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ホヒンダ村だより—迷える子羊達—*オリキャラ募集中* ( No.398 )
日時: 2011/02/11 23:57
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: yMcAY8PJ)
参照: http://ameblo.jp/short-inamori/

71話[ *—不思議な力—* ]


あたしが叫ぶと、その女性の口元は緩くつりあがる。

何かを企んだような口元。


「ふふっ、正解です!

 私はローマ村からの使者なんです」


ローマ村からの、使者……
じゃあ、シェルやジェーンを知ってたって、可笑しくはないよね。

でも、何をしに来たの?


「何をしに……」

「シェルちゃんとジェーンちゃんを、連れ戻すため、ですよ?」

「連れ戻す……?」

「うーん、私はあの2人のように日本語上手じゃないんですけどぉ……

 言うなれば、あの2人は逃亡者とやらなのです」


逃亡者?
まさか、そんな……

確かに、あの2人はローマ村を恐れていた。

けど、自分が逃亡してるだなんて、一言も言わなかった。
気付けなかった。


「つまり、私はその2人を連れ戻しに来たのです!」


待ってよ、話が急すぎる。
それに、この場には2人ともいない。

あたしの家は、知らないはず。

どうするの?


「ふふ、どうやって2人を連れ戻すのか聞きたそうですね?

 確かに、普通に探すなら貴方のほうが早いです、でも……」


でも、何?
何か秘策でもあるの?

ううん、ある、んだよね……
どうする、の……?


「私の元へ、逃亡者を」


その人が叫ぶと、2人が現れる。
どう、して……っ?

そして、何故かさよるんまで。


「うふふ、この幽霊の力はすごいのです。

 土産として連れてっちゃいましょう」


土産?
何それ……

さよるんは、土産なんかじゃないよ。
あたしの、守護霊だよ。


「あ、なたは……」


シェルとジェーンが同時に声を出す。
やはり、知り合いのようだった。

前に話していた人なのかもしれない。


「うふふ、私は迷える子羊ちゃんには手を差し伸べます。

 しかし、逃亡者には罰を与えるものなのですよ?」


淡々と、それでいて愉快そうな不気味な声。

怖い。
この人が、怖い。

あたしは何も知らない。
それでも怖い。


「……めて、その2人に罰を、与えないでよ……」

「ふふ、貴方には関係のないことなのですよ?

 それとも自ら罰を受けたいと志願するマゾっ子ちゃんなのですか?」


違う。
そうじゃない。

あたしは助けたい。
シェルとジェーンを。

自分の手で。


「違います、この2人に罰を与える必要などない、と言ってるんですっ……!」


何も事情を知らないあたしが。
勝手にルールを変えることなんてできなくて。

ただ、2人を助けたくて。
なのに、空回りしか、してくれなくて。

あたしの努力は、無駄なのかもしれない。


「それはできません。逃亡者には、罰を与えるルールがあるのですから」

「でも、それでも……あたしは、許しません、そんなこと……っ!」


すると、その人の目つきが変わる。
さっきと同じように、優しいあの目に。

許してもらえたのだろうか。


「貴方は世間知らずのお嬢様でしょうか?

 ルールはルール、何も知らないものが口を挟むべきことではないのです」


届かなかった。
あたしの思い。

すり抜けるように消えていく思い。

涙目になる2人。
守れなかった。

あたしの努力は無駄なのか。
それすらも分からないまま……

ただ、時間は過ぎてゆく。


71話☆終

=====作者より=====

名前が出てこない……
決めてますからね!!?
本当ですよ!!?←必死ww

結局思いは届かないまま過ぎる時間。
さぁ、4人の運命やいかに…!!?

って、次回予告風(?)にw
やってみたかったんですw