二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ホヒンダ村だより—迷える子羊達—*オリキャラ募集中* ( No.400 )
日時: 2011/02/12 10:18
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: yMcAY8PJ)
参照: http://ameblo.jp/short-inamori/

72話[ *—消せないルール—* ]


「ふふ、何も言えない、といったところでしょうか?

 私には世間話をしている時間などもうないのです」


そう言って、シェルとジェーンとさよるんを連れて行こうとする。

やめて、やめてよ。
あたしは事情なんて何も知らないけど。

大切な人が傷つくのは、許せないよ————……


「大切な人が傷つくのが許せない、ですか……」


あたしは、その人の言葉にドキッとする。


「ではでは貴方は私がどんな気持ちでこんなことをしていると思ってるのですか?」


え、と思った。
どんな、気持ちで……?


「別に私はこんなことをしたいと思ったことなんて、一瞬もないのですよ?」


じゃあ、どうして、そう思う。
やりたくないのなら、そう言えばいいじゃないか。

きっと、この人は権力だってあるはずなのだから。
2人が、そう言ってたもん……


「だったら、やらなきゃいいじゃないですか……」

「そういうわけにはいかないのです。

 そういうルールなのですよ」

「でも、何も言わなきゃ……」


あたしがそう言うと、彼女はふっ、とどこか寂しそうな顔をして言った。


「では貴方はできますか?

 その村自体のルールを変えるだなんてこと」

「それ、は……っ」

「できないのでしょう?

 私だって、貴方と同じなのですよ?」


あたしにだって、ルールを変えることなどできない。

でも、それでも……
イヤだよ……

そんなくだらないルールなんかのせいで、
2人が危険な目に遭うだなんて。


「では、貴方も特別に連れて行ってあげるのです。

 貴方の恐れている、ローマ村に」


ローマ、村……。

この姿のまま、行くってことだよね。
あの、恐ろしい村に……、

でも、行ってみなきゃ始まらない。
そうだよね……?


「行き、ます……っ、」

「さよりんっ!!?」

「では、決まりなのですよ行きましょう」


あたしたちは門をくぐり、村を出る。
あたしは普通に歩き、3人は、捕らえられた状態で。

ローマ村へ行く。


「着いたのですよ」


彼女が言う。
此間とはまるで別世界。

何故か活気が溢れていて。
恐れるような場所とは思えなかった。


「ふふっ、驚いているのでしょう?

 貴方は、ここへ来たのですから、1度」

「……っ」


そう。
彼女が言うとおり、あたしは1度此処へ来ている。

さよるんと、一緒に。

そして、この人は気付いていたのだ。
あたし達が此処へ来たことを。


「ふふ、勝手に入るだなんて、泥棒みたいなのですよ?」


彼女が不気味に笑う。
恐い。

まるであたしがこの後処刑でもされるかのような気分。


「さよりん、お願い……ローマ村から、離れて……」


シェルが、消えるような声で言う。


「煩いのですよ、少し黙っていただけません?」


ドッ、と鈍い音が響く。
シェルが蹴られる。

でもきっと、これくらいじゃ許されないんだ。


「これも承知の上、そうですよね?

 —————さよりんさん」


あたしは、黙って頷くことしかできなかった。


72話★終

=====作者より=====

最近1000文字こえまくりです。
てか、いつもですね、はい。

私的に、この女の子は自分の好みな感じにしたのです。
重要なオリジナルキャラクターは全てそうなのですが^^;

名前が出てこない〜;
いつになったら出せるかな?