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　　　　　　■13話／ある日の事件■


アル「たたた、大変だぁぁぁッ!!」


　ガラッ

アルフレッドが、血相を変えて走ってきた。


マジュ「どうしたんだよ。」


マジュがめんどくさそうに反応する。
み、みんな顔に(どうせどうでもいい事だろ)って書いてあるんだけど…


アル「ファーナが、ファーナが…アイス食べないんだぞ!!!」



　皆「ッ!?」



それはそれは驚きました。
ファーナがアイス食べないなんて事はない。

それに、アルフレッドからもらったものなら尚更。


アル「フラも踊らないし、ボーッとしてて…」


　ファーナ「どうしたなの…?」


シェリル「あ、ファーナ…。」


ファーナ「シェリル、おはよう…。今日は、熱いなの…」


シェリル「すっごい寒いよ?；」


ファーナ「そうなの?…なんか、しんどい…なの…」



　ボフッとファーナが私に倒れこんだ。　　　


シェリル「ファーナ!?どうしたの!?」

　　
　　　あ…。
ファーナの顔、真っ赤…。息使い荒いし…。

　　額に手をあててみる。


シェリル「ファーナ、熱あるよ…!?」

ガラッ


　　セーラ「大変!フェリとロヴィが倒れた!!」


シィナ「歌娘とセシリアも!!」


アリス「ノラも!!」



　シェリル「え!?」



なんでこんな急に!?


アーサー「とりあえず、医務室につれていけ!!」



————…。

　
　ベットの上で、色んな人が苦しそうにしてる。
その周りには、私達。

医師「…感染症による発熱ですね。
　　　　病院からワクチンを取り寄せます。
　　　それまでは、熱は下がらないかと…。」


　そういい、部屋をでる医者さん。


私は、誰かに聞いたことがある。
—『国は簡単に死なない。
　　だから、苦しくても苦しくても、もがき続けないといけない。』—


そう…。
私達は“人”じゃなく“国”。
人とは違う、喜びや悲しみや苦しみがある。
　　　

　滅ぶまで、生き続けなければいけない。
何百年も、何千年も…


　ずっと、ずっと。　　


シェリル「…っ…」



国に生まれてよかったのか、自分でもわからない。
　みんなみんな、楽しい事もある分…




　　　　重い物背負って生きてるんだ——…





シェリル「………。」


　　私は、ファーナとノラの頭を撫でた。




こんなに小さくて、弱々しくても“国”。


　生きていくために、戦っていって…



こんな小さい身体で、いろいろ背負って生きるって…怖いよね。



シェリル「はやく、治るといいね…。」


　アリス「…はい…。」



セーラ「大丈夫だよ。この子達、みんな強いもん…」




　ワクチン、早くとどかないかな?




■seguente■