二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: bio hazard Episode ( No.10 )
日時: 2010/09/10 01:55
名前: 黒影 ◆BX9zGDO0G. (ID: S8wpdLDK)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 ロビーまで戻ったとき、影璃は再び違和感に気付いた。

「来たときはなかったと思うが……」

 受付に突っ込んだ自動車に寄り掛かるようにして座ったまま死んでいるSAT隊員。

 右手には弾倉の入っていないグロック19、左手にはグロック19の弾倉。

 首元にナイフが刺さっている。

 影璃はそのナイフを引き抜くと、刃の血を拭き取り、刃を眺める。

 製造国などが掘られていたであろう部分は削り取られている。

 しかし、このナイフの持ち主がすぐに分かった。

「…ちゃんと抜いておけよ……」

 W.S.S隊員のものだ。

 日本国内で手に入ると言っても、売っているのは傘谷市内の一カ所だけだ。

 悉皆町の君村鉄鋼である。刃の形ですぐに分かる。

 ここまで刀に近く、切ることに適したナイフは彼処だけだ。

 影璃はそう思いながらも、のそのそと受付のカウンターを越えようとしている婦警のゾンビの頭にそのナイフを突き刺し、神紅と共に外に出た。

 その時、通信が入る。

『調子はどうだね、黒咲君』

「まあまあ、だな。ついでに化け物娘も拾った」

『化け物娘?』

「普通の人間だがな、バール一本と包丁数本だけでゾンビを三体も狩ってる」

『…噛まれてないのかね?』

「見たとこ無傷だ。返り血が多すぎて、判別は難しいがね」

『そうか…ところで、弾薬は足りているかな?』

「まだ五発しか撃ってねーよ」

『…そうかね。それじゃ、頑張ってくれたまえ』

 影璃は通信機を切ると、神紅の方を見た。

「ちょっと、一回服脱いでみ」