二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 爆想サザエさん ( No.132 )
日時: 2010/12/12 12:36
名前: ACT (ID: nrzyoCaD)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

22

 夜。
 満月を雲が隠し、不気味な雰囲気が漂う。
 サザエ、タラオ、マスオ、そして波平は、磯野家の庭にいる。隅には小さな穴が開いており、その穴を囲むようにして4人は立っている。
 時折鼻水をすする音が聞こえる。サザエ、タラオは泣いているようだ。
 磯野家の主、波平はビニールシートに包まれたタマを愛しそうに抱えながら一人ひとりの顔をゆっくりと見まわした。波平の目がマスオに止まると彼は決意を込めた目でゆっくり頷いた。
 
「埋めるぞ」

 手を震わせながらタマを穴に放った。鈍い音を立てて底に落ちた。
 マスオはそれを見ると素早くスコップで土をかけ始めた。それに続いてサザエも同じ動作を始めた。タラオはうずくまり体を震わせている。思わず溜まっていた感情を出してしまったのだろう。波平は地面にへたり込んでしまっていた。
 

 
 こうしてタマは磯野家に静かに見送られていった。