二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 爆想サザエさん ( No.211 )
日時: 2011/04/17 19:47
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

33

 目隠しをされてから20分ほど経っただろうか。車の止まる気配がした。

「降りるぞ」

 神谷の声がした。
 波平は強い力で腕を掴まれ、車の外へ引きずり降ろされた。
 目隠しを外されると目の前に3階建てのビルが建っていることに気付いた。第一印象は、小汚く、いかにもヤクザがいそうなビルだった。
 階段を上り、これもまた汚いドアを開けると、最低限の家具しかないだだっ広い部屋が目の前にあった。5人くらい中にいたが、中心の立派な椅子に座っている男がこの組のボスであろう。

「こっちこい、カネイさんの前だ」

 神谷が言うにはボスの名前は金井らしい。波平はおぼつかない足取りで金井の前に立った。

「お前が磯野か」
「……ハイ」
 
 金井はポケットからジッポライターを取り出すと、くわえていた煙草に火をつけた。

「こちらもねー、商売なのよ。だからキチンと金払ってもらわなくちゃねー。分かる?何度も言ってるはずなんだけどね」

 金井は優しい言葉で言っているが、言葉には凄みがあった。
 
「す、すみません……」
「すみませんで済むかぁぁぁ!!!」
「ヒィィ……」

 これが彼の本性なのだろう。
 反射的に波平は情けない声を出した。

 まだまだ続きそうだ。