二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 爆想サザエさん ( No.226 )
日時: 2011/05/03 16:03
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

37

「おい!なんか言え……!」

 そこで教室に担任が入ってきた。虐めっ子達はそれぞれ自分の席に戻る。担任も担任で何事もなかったように授業を始めようとしている。

「はい、授業を始めます。教科書の65ページを……ど、どうした?磯野くん?」

 クラスの目はタラオに集まった。見ると、タラオは左手を天井に上げている。

「先生、ひとついいですか?」
「……あ、ああ」

 タラオは教室中を見渡した。そして、間をおいてから、

「僕は不登校です。その理由はみんな気づいていると思います……そう、いじめです。現代社会で大問題になっているいじめです。僕自身もまさかそうなるとは思っていませんでした」

 そこで一度話をきった。クラスメイトはただならぬ空気を感じていた。

「それまでの生活は平凡だったけど……平凡だったど、それが一番楽しかった。じゃあなんで虐められるようになったのか……?それは僕のお祖母ちゃんとお姉ちゃんの事件からでしょ?僕は何にも悪くないのに……。そして僕は不登校になって家でゲームばかりしてました。何時間も何時間も、時間を忘れるくらい。でも……でも、虐めを忘れることはできなかった。ずっと一人ぼっちだった。僕の心の傷が癒えることはなかった。虐めをするお前ら。そしてそれをを見て見ぬふりをする担任、クラスの奴……全部お前らのせいなんだ!」

 担任の目には、タラオの目がキラリと光っているように見えた。彼の小さい体は今までとんでもないものを背負って来ているに違いないと思った。

「この数年間、無駄に過ごしてきた時間はもう取り戻せない……」
「だ、大丈夫だよ磯野。君は子供だ。まだまだ力を秘めているんだ。だからこれから……」
「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!!僕の……僕の人生はもう終わったんだ。だから……」

 タラオは担任を睨みつけた。いや、その顔は哀れんでいるようにもみえた。

「だから死んでください」

 タラオは机の中からキラリと鈍く光る物をとりだした。クラス中から悲鳴が上がる。
 ナイフだ。
 タラオは机を蹴散らしながら教壇へと進んだ。

「ま、待て、何をするんだァァァッッ!!!うッ……」

 タラオと担任の体が重なる。
 その間からどす黒い液体が滴り落ちる。
 声のない悲鳴を上げ、担任の体が崩れ落ちる———
 タラオは茫然としているクラスメイト達の方を向いてニヤリと笑った。

「次はお前たちだ」