二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 爆想サザエさん ( No.57 )
- 日時: 2010/10/15 19:15
- 名前: ACT (ID: rCcrGyYb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
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ふいに電話が鳴ったような音を耳にし波平は目を開けた。しばらくぼーっとしていても音は鳴りやまないようだ。サザエはいないのか?ぐっすり寝ているだろう。タラちゃんはまたゲームか……カツオとマスオは帰ってきていないか……わしが電話をとるしかないか。
重い体を持ち上げてむくりと起き上がると電話のある玄関へ向かった。どんどん音が近くなる。
分かった分かったと呟きながらめんどくさそうに電話をとった。
「……はい磯野です」
『い、磯野さんですか!?」』
だからそうと言っとるだろう、と言いたいのを我慢した。しかし相手はとても慌てているようだ。何があったんだ?
『お、落ち着いて聞いてくださいよ。お宅のカツオ君が事故にあいました』
「……は?」
唐突過ぎて波平は聞き返してしまった。カツオが事故?そんな馬鹿な話あるわけがない。そうだあれだろ、最近流行りのおれおれ詐欺というやつだろ。
「あのな、わしを馬鹿にしとるんか?わしはまだ若いし……」
『ホントなんです!カツオ君はバイク事故を起こしました!今すぐ来てください!』
嘘をついているとは到底思えないような口ぶりで話す相手に波平はただ事ではないと感じ取った。
すぐに病院の場所を聞くと寝ていたサザエとタラちゃんを起こして大急ぎでカツオのもとへ向かった。
「カツオ〜!」
病室に1番早く着いた波平はまず叫んだ。急いでベットに駆け寄った。横には医者らが数名いたが彼の目には映ってないようだ。
難しそうな医療機器がとりついているカツオに名前を呼んでもピクリとも動かなかった。
手が震える。
涙でぼやける目を彼の足へ向けると下半身が無い事に気づいた。波平は隣にいた眼鏡をかけた医師をキッと睨んだ。
「カ、カツオの足はどこに行ったのですか!」
医者の胸倉をつかんで必死に叫んだ。
「彼の足は……切断しました。……もう自分の足で歩くことはないでしょう」
「う、嘘だろ……おい、嘘って言えよ!」
波平は崩れ落ちた。