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１６

　居間で一人酒を飲む波平は。もう５杯目にいっただろうか。まだまだ飲み足りない。６杯目を飲もうとした時に玄関から物音がした。
　———アイツらか！
　そう思った時には遅かった。
　いきなり玄関のドアをバンバンたたき始めたのだ。

「おい！磯野波平！！！出てこいや！」

　き、近所迷惑だろう！しかもサザエ達が起きてしまう！早く止めさせたいと思い、急いで玄関に向かう。

「ま、待ってくださいよ！音を鳴らすのは止めてください」

　ドアごしから小声で言う。
　しかし音の主は止めない。

「あ゛！？じゃあ外出てこいや」
「は、はい〜」

　ドアを開けるとそこには強面の４０くらいの男３人がいた。角刈りにサングラス。カツオとはまた違った怖さである。

「磯野ォ、なんで俺達が来たか分かってるよなァ」

　真ん中のリーダーらしき男が言う。
　風格からしてこの理由しかないだろう。

「はい、借金の取り立てですよね」
「わかっとるやないか」

　そう。彼らは、波平がギャンブルでつくった借金の取り立てなのだ。