二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ドラゴンクエスト 〜天空の守り人〜 ( No.5 )
日時: 2011/03/13 17:07
名前: (★・ω・)ノ ブラック★スター ◆7jh2ytiT1s (ID: WVaLeBuy)
参照: 地震があったのになんでこんなのんきにPCしてるんだみんな!あ、私もだw

第1章 〜天使 再び地上へ〜


第1話 勇者ノ儀

今日、天使界では大切な儀が行われていた。

今から何千年も前のこの日、憎しみと憎悪の念で堕天使と化した天使エルギオスから勇者が世界を救ったと言い伝えられる日・・・。

そして、この儀式の最中に見習い天使の昇格式が行われていた。

見習い天使から守護天使へ、または実力のある者は上級天使へと昇格していく儀式である。


「見習い天使キースよ。お前を上級天使として任命します」

キースに上級天使ノ証が渡される。
キースはその証を受け取ると、長老シャマンに一礼してからさがっていった。

「次の者、ここへ」

シャマンが儀式場の隅に立っていた天使に言った。
その天使は言われるままにシャマンの元へと歩いていった。

彼女・・・ローズには天使の証、翼と光輪がない。

かつて世界を救った勇者は天使だった。だが、身分の低い天使が上級天使に傷をつけることなど許された行為ではなかった。
そこで、勇者は『女神の果実』とよばれる願いのかなう果実を食べ、人間になり、堕天使エルギオスとの戦いに見事勝った。

ローズに翼と光輪がないのはその勇者の末裔であるためだった。そのためか、彼女は『翼なき天使』と呼ばれていた。


「『翼なき天使』ローズよ。あなたが守護天使となることを任命します


シャマンはローズに微笑みかけながら守護天使ノ証を渡した。

その瞬間、儀式場にざわめきが広がった。
ローズには想定できていた。『翼なき天使』である自分が守護天使となることを皆は認めないであろうと・・・。

「静まりなさい」

シャマンの一言で儀式場に沈黙がはしった。

「以上で任命式は終わりです。諸君は所定の仕事をするように」





「やったね!ローズ」

ローズの親友、カリンが声をかける。

彼女は『カルミヤ王国』の守護天使であり、ローズより1つ年上だったが、昔からローズのことを妹のようにかわいがってきた。

「まあな、これでお前に敬語使わなくて済むしな」

ローズが顔に微笑を浮かべる

「守護天使なんて楽な仕事じゃないよ。この前なんてうちの担当のところで国王の娘さんが逃亡したんだから」
「マジかよ」
「マジじゃなかったらこんなに大変だって言わないもん」

こんな話をしていると、後ろから上級天使がやってきた

彼女、リリアはローズの師であり、現天使界では一番実力のある上級天使である。
彼女はカリンを見るなり

「カリン、お前はさっさと担当の国に行って国の守護でもしとけ」

と、吐き捨てた

「リリアさま、そんな酷く言わないでくださいよ〜;;」
「いいから早く行け!!」

そう言われるなり、カリンはふくれっつらをして下界への扉にむかっていった。

リリアはローズに視線を戻し、

「カリンと何の話をしていた」

と、聞いた

「・・・カリンの国の状況をきいていました」

さすがに師であるリリアの質問を無視するわけにもいかず、ローズはうつむいたまま答えた。

そのとたん、リリアの表情が微妙に揺れたのをローズは感じ取った

「カリンはなんといっていた」

「王女が国外逃亡したといっていました」

その報告をきくなりリリアは真っ青になってローズにこういった

「お前はここで待機しろ。私はカルミヤへ行く」