二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 「10月10日は何の日だ?」 ( No.121 )
日時: 2010/10/30 21:56
名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: pkkudMAq)

02,「10月10日は何の日だ?」


「銀さんのいちご牛乳が無いんですけどォォォ!!」

 その日、銀時が起きるなり絶叫が巻き起こった。その声に反応し、定春も吠える。騒々しい大音響は近所中に広がり、苦情の波が万事屋に殺到する。
そんな中、近所の苦情を受けて新八が現れた。


「……銀さん、落ち着いて下さい。近所迷惑です」
「だって!銀さんのいちご牛乳が無くなったんだよ新八君!!」
「ああもうどーでも良いだろーがァァ!」

 結局新八に一喝され、ぶつぶつと文句を言いながら銀時は万事屋から出て来た。めんどくせーな、等と呟きながらいちご牛乳を買いにスーパーへ向かう。
 
 (……あれ?でも昨日買ったばかりだと僕は気付きました。あれ?作文?)


+


「神楽ちゃん!起きて、銀さん上手く外に出せたよ!」
「マジアルカ!グッジョブアル、新八!」
「リーダー、こちらも準備は万全だ」
「……O、K」

 銀時が居なくなった万事屋に四つの声が木霊する。新八、赤いとんがり帽子を被った神楽、料理道具を持った桂と夢幻。
台所の方からはすでに料理の匂いが漂って来ている。


「神楽ちゃん、クラッカーは?」
「オッケーアル、任せるネ!」
「桂さん、それに夢幻ちゃん……」
「料理は粗方出来た」

 それぞれの答えに満足そうに新八は頷き、夢幻は台所の方へ向かう。かちゃかちゃ、と音がして最後の一品が万事屋のテーブルに並べられた。四人はそれぞれいそいそと隠れる。

後は銀時の帰りを待つのみ。


+


「オイこら、新八!神楽!帰ったぞ〜」

 オイオイ、返事がねーよ。と顔をしかめ、銀時は万事屋のリビングへ向かう。……その瞬間。


『はっぴーばーすでー!』

 四人分の声が響き、一斉にクラッカーが鳴り響く。驚いている銀時に向かって、神楽がにやっと笑う。


「驚いたアルカ?これはサプライズアル!」
「銀時、お前の驚いた顔は久方ぶりだ。苦労して用意した甲斐が在ったと言う物」

 桂も其れに続き、夢幻がその横でにこりと笑った。銀時もつられて、ふっと微笑む。


「……ありがとよ」


(祝ってもらうのも、悪かねーな)