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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 「君が、」 ( No.189 )
- 日時: 2010/11/20 11:53
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: hDs6F9Z9)
*~「君が、」~*
「すまぬ幾松殿。何か有ったらよろしく頼む」
「任せときな」
ふ、と軽く幾松が微笑んだ。今桂が来ている此処は「北斗心拳」、彼が馴染みにしているラーメン屋だ。以前助けられてから、桂はちょくちょくこの店に顔を出していた。
いつの間にかメニューに好物の「蕎麦」が追加されており嬉しい事この上無い。
そして北斗心拳に夢幻を連れて来た事もある。ひいては幾松に夢幻を見かけたら知らせてくれ、と願う事も出来るのだ。
「そうかい、夢幻がねぇ……。心配だね」
「ああ……」
桂の顔はまた曇る。あの時、自分たちに向かって「サヨナラ」と呟いた夢幻は、直ぐ人混みに紛れてしまった。手分けして必死に探したが、結局見つからなかった。
そんな彼女が、まさか鬼兵隊の戦艦に乗り込んで行ったとは。
鬼兵隊と言えば、かつての盟友・高杉が作った義勇軍。攘夷戦争時、最強と恐れられたその部隊を間近で見ていたからこそその強さが分かる。
ついこの前にも、……それこそ袂を完全に分ったあの時にもその強さは再確認した。
実力を見る限り、夢幻はあの隊に認められると思う。身元が分かるのも時間の問題だが。
「持ちこたえてくれよ……」
祈るように言葉を紡ぎ、桂は店を出た。
+
「現世」
「どげんしたん、月詠」
「ぬし、探しに行かんで良いのか。銀時も言っていたろうに……」
「あたしは関わらんちゃ。ばってん、夢幻は強か子だもん。これば乗り越えてこしょ、あたしの相方ばい」
(こんなにも大きな存在になって居たなんて)
———「君が、」
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