PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: プロローグ ( No.2 )
- 日時: 2010/10/30 21:45
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: pkkudMAq)
(いつからカミサマはこんなに意地悪になったのだろう)
+
耳に響く優しい声は今でも覚えている。とびきり優しくて、それでいて何処かへ行ってしまいそうな儚い母の声。
大丈夫、父さんはきっと帰って来るわ。ちょっと苦戦してるだけよ。ただそれだけ。祈る様に毎晩毎晩呟いていた大好きな声が途切れたのはいつからだろう?それすらも忘れてしまった。
長い長い孤独。
朱雀族と白虎族の混血である母はとびきり美しくて、しかも治癒能力も持っていた。一部の者に疎まれながらも母は戦の多いあの星で大活躍した。
戦場と家を行き来する母と父。それだけに家族の結束は固かったと思う。
父は玄武族と青龍族の混血。突出した戦闘能力に鋼の身体で、最強の戦士として恐れられた。そんな父は私の誇りだった。
———でも、“あの日”に全てが崩れた。
父にかかった召集令。銀河海賊「春雨」の本部に乗り込んだ父は帰って来なかった。母は生活が成り立たなくなり、私は近所の人に強引に売り飛ばされた。
母が死んだ、その知らせが伝わった時に私に出来たのは道ばたの花を棺に乗せる、それだけ。母のやつれた死に顔が頭にこびりついて離れない。
+
(もう一回だけ、幸せな夢を見させて下さい)
PR