二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 「おともだち?(うん、って言ってね)」 ( No.77 )
- 日時: 2010/10/30 21:44
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: pkkudMAq)
*~「おともだち?(うん、って言ってね)」~*
「んもうっ!銀時兄ィ、置いてかないでよ〜」
桂の隠れ家に夢幻一行が到着した時。後ろから、塀を伝って身軽に飛び跳ねて来る者が居た。
銀時と同じ銀髪をポニーテールにし、其れを風になびかせながら常人では出来ない事を簡単にやってのけている。とんっ、と軽い音を立てて着地すると、琥珀の様な黄色い目をくりくりと動かした。
「あれ、ヅラに……じゃないコタ兄ィ。久しぶり」
「ヅラじゃない桂だ。久しぶりだな、和月」
相変わらずだねーその台詞、とか言いながら苦笑する和月。しかし、夢幻の姿を見た途端に表情が変わった。いきなりにこにこと笑い出す。夢幻には、警戒している事が容易に見て取れた。
古い馴染み(らしい)桂と銀時はそんな和月に気付き、慌ててフォローする。
「違う違う!和月、この子は夢幻と言ってな。俺の仲間だ」
「おう、現に俺等案内してくれたのコイツだし」
怪しげに夢幻を見やり、和月が発した言葉、それは———。
「……コタ兄ィ、嘘はダメだよ」
「……いっ!?」
違う、嘘では無い!……等と言いかけた桂を遮ったのは、更なる和月の声だった。
「こーんな可愛い子、攘夷志士な訳無いじゃん!ねー夢幻ちゃん?」
「え、こた……こたろの、仲間……」
「……えっ、マジだったの!?ちょ、コタ兄ィこの子万事屋に頂戴よ」
一転して本当の笑顔を顔いっぱいに広げ、和月は夢幻と話し始めた。夢幻も驚いていた物の、ゆっくりと顔に笑顔を浮かべて話し始める。そこに神楽も加わり、男三人は取り残される始末。
「……ま、和月も友達になってくれるみてーで良かったなヅラ」
「ヅラじゃない桂だ」
そう言い返しながら、桂の顔にも自然と笑みが浮かんでいた。
(君のその問いに、「うん」と答えてくれる人が居る)
———「おともだち?(うん、って言ってね)」