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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re:「闇の小作品(ア・ラ・カルト)」 ( No.93 )
- 日時: 2010/10/30 21:54
- 名前: 空梨逢 ◆IiYNVS7nas (ID: pkkudMAq)
*~「闇の小作品」~*
「……へえ、銀時がねェ」
戦艦の様な大きな船の一室。蝶が舞う濃紺の着物を着た男が、静かに笑いながら煙管を吹かしていた。ふっ、と息を吐き出すと紫色の煙が辺りに漂う。
其れを見ながら、部屋に居た少女が顔をしかめた。
「晋助、それ止めてくんない?受動喫煙になって寿命縮むから」
「鬼兵隊所属の癖に町に遊びに行くてめーが言えた義理じゃねェだろ」
「確かに!」
愉快そうに言葉を返すと、薄いクリーム色の髪を揺らして少女は笑った。可笑しそうに朱色の瞳が煌めく。
其の少女を見ながら、不快そうに顔をしかめる女が一人。
「……晋助様、コイツもううっとーしいっス」
「うるせー染み付きパンツのまた子」
「貴様ァァァ!今すぐ撃ってやろーかァァ!?」
しゃらっと言い返され、金髪を振り乱して女が立ち上がる。両手の二丁銃を構え、今にも発射しそうな勢いだ。
その時、がらがらっ……と音がして障子が開いた。何事か、と振り返る一同の目に写ったのは変に目が見開かれた男。
「皆さん、もうすぐで祭りですよ」
「ほォ……。意外と幕府も乙な事やるじゃねーか」
嬉しそうにクックッと笑う男を見て、少女はつまらなそうに目を伏せた。
「私、祭りキライだからちょっと出かけて来るわ」
「あ!なーに勝手な事やってんだこのクソガキィィ!!」
「また子さん、ダメですよ。後二、三年したらこの子もんの凄い事になりますから」
「ロリコンは黙って下さいっス」
ちが、ロリコンじゃなくてフェミニスト……と言う抗議は聞き流し、少女は障子を開けて出て行った。少しだけ口元を歪め、呟いてみる。
「……『闇』と『篝火』ねぇ」
(その作品は燃やし尽くされるのか)
———「闇の小作品」
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