二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ—序章— コメント下さい!! ( No.108 )
- 日時: 2011/01/01 22:55
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
Capter ⅡⅩ is After 〜歓喜と苦渋〜
*Reno Side*
時は少しさかのぼる。
「レノさん、ルードさん、イリーナさんと・・・それからシスネさん。ちょっといいですか」
4人はリーブに呼ばれて職員室の奥の間に入る。
そこには、神妙な面持ちの彼らの担任がいたが、レノはなんとなくあえてズボンのポケットに手を突っ込んで一番先頭に入ってきた。
続いてルード、イリーナ、シスネ・・・と呼ばれた順に入ってくる。
「・・・暗いぞ、と」
「そう気楽なことを言っていられる場合ではないのです。実は社のほうで問題が起こりましてね。」
問題・・・?
レノには見当もつかなかったが、へぇ・・・という顔で頷く。
隣で背筋を伸ばして立っていたルードはあらためて姿勢を正し、掛けていたグラサンの角度を直した。
・・・なんだか空気が重いんだぞ、と。
俺達・・・。なんか、やらかしたんだっけか?
「んで?俺達は、何で呼ばれたんだ?」
「それは私から話そう」
レノたちの入ってきた扉から、オールバックにした黒髪の男が入室する。
4人はいっせいに顔をこわばらせる。
複雑な表情でリーブは口を開く。
「さすがにみなさん、知っているようですね。そう、彼は総務部調査科・・・いわゆるタークスの主任、ツォンさんです」
タークス主任のツォンは重々しく頷く。
レノは、まさに「開いた口がふさがらない」状態だった。
「話に戻るが、その問題というのが最重要命令とされてな。しかし、今タークスには“穴”が多い。そこで優秀な君達4人を入れることになった」
「ちょっ・・・!?それ、タークスに俺らが抜擢された・・・ってことか!?」
「簡単に言えば、そうだな」
レノは再確認をして自分の頬の筋肉が緩んできたのを感じた。
とうとう、現役タークスか・・・!!
あわてて直そうとするのだが、緩みすぎて直らない。
正面の2人に背を向けて喜びを体の全面に現す。
「だが、浮かれている暇はない。現・社長から最重要命令が出ている限り、現場へ直行するのだ。ここにスーツも用意してある」
ツォンが一息つき、口を開く。
ソファーの上で指を組んでいたリーブはなぜか苦しそうに眉を潜め、瞳を閉じる。
「指令は、古代種を捕らえること。ある裏切り者4名と共に行動していると思われる。質問は受け付けない。古代種という、『人間』だ」
「「「「了解」」」」
4人は同時に返事をする。
タークスは完璧に仕事をこなす。
たとえそれが、どんなに厳しく、つらい仕事でも———。
*Zack Side*
時は戻り、少々進む。
「・・・頼む!」
ザックスは目の前の元同級生に懇願した。
下唇を噛み、構えていた大剣を少し引くと一歩下がる。
彼女はその場から動かず、ザックスと同じような苦しい顔で顔をわずかにそらす。
「そこ、どいてくれシスネ!じゃないと、俺はお前を・・・」
「ザックス、ごめん・・・っ!これ、任務なのっ!!」
シスネはウータイ製の赤い、人の方から腰くらいまである大きな手形手裏剣を構える。
戦う気はそがれているらしく、目をそらしたままためらっている。
しかし決心したようにザックスを見据え、キッと睨みつける。
「ここを通りたいなら私を倒してから行って!!」
鋭いその一声と共に赤い手裏剣が飛んでくる。
ザックスは大剣を一振りしてそれを払いのける。
赤い手裏剣は空しくもキーンという高い金属音と共に吹き飛びシスネの頭上を通り越し、神羅ビルの硬い床に突き刺さる。
「・・・っ!!」
「ごめん」
ザックスはそういうと、シスネの横を通り過ぎる。
シスネは追っては来なかった。