二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ—序章— コメント下さい!! ( No.110 )
- 日時: 2011/01/02 15:23
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
Capter 21 —それぞれの選択—
*Aerith Side*
そして時はまた進み、正常に流れ始める。
そこには、両者愕然とした2人がいた。
「『古代種』・・・!?」
エアリスは目の前の彼から発せられたつぶやきにはっとして、口に手を当てて思わず目をそらす。
ぎゅう、と胸が締め付けられる。
こういう場面に直面するたび、思う。
ド ウ シ テ ワ タ シ ハ 普 通 ノ 人 間 ジ ャ ナ イ ノ ・ ・ ・ ?
背後にいたクラウドが、いたわるようにそっとわたしの左肩へ手を置いた。
その瞬間、気づいた。
ああ、あなたもわたしの正体、知ってるのね—————。
「あんたが『古代種』???」
「レノ」
クラウドが一歩前に出る。
エアリスは恐る恐る彼の背中を眺める。
・・・でも。
いつから、知っていたのだろう。
わたしが、普通の人と違うことを。
それなのに、それを知っていたのに、彼は変わらず接してくれていた・・・?
「そこをどいてもらう。・・・こいつを、せめてこの地獄から救ってやらなきゃならない」
「地獄、って・・・」
レノは首を振り、視界に入ったそれに愕然と目を開く。
それはさっき、実験で使われていたサンプルケースだった。
二つとも割れていたが、ラベルが残っていた。
『Setora -Kodaisyu-』
そして、そのままの表情でエアリスの首下を見る。
首もとの赤い首輪はオレンジの光を点滅させていた。
慌てて両手で覆い隠すのだが、隠しきれていないうえに後の祭りだった。
「・・・お願い」
レノがエアリスのささやきに、さらに目を見開く。
苦しげな表情のまま、その顔を上げる。
「見逃して。母さんもここにいたけど、過度の実験のせいで・・・っ!」
「・・・死んだのか」
レノは強く下唇をかむ。
彼はそのまま、後ろに下がる。
と、PHSを取り出す。
クラウドもエアリスも目を見開いたが、レノはすでに言葉を発していた。
「———もしもし、聞こえるか?ルード、そっちはどうだ。俺のほうにはいなさそうだ。もういないのかもしれない」
『そうか。わかった』
無口なルードの言葉を後に、レノは複雑な表情でPHSを切る。
PHSをそのまま床に叩きつけ、思い切り踏んづける。
「・・・礼は言わないぞ」
「別に」
クラウドはその言葉を背に、エアリスの手を引いて走り出す。
振り返るとそこには切羽詰ったレノの顔があった。
何か言わなければいけない。
この人に・・・。
「レノ、ありがとう」
エアリスは小さく笑った。
レノの顔は、泣きそうなまま角に消えた。
「屋上に向かう。エレベーターはどっちだ?」
「多分、無理・・・ね。さっきの爆発で、非常停止装置、作動したと思うの」