二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ  第 一 章 〜反旗〜 ( No.126 )
日時: 2011/01/14 21:15
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   Capter 25 —三人—

                             * Zack Side *


「そんじゃ、俺は少しの間・・・じゃないかも知れないが、離脱する。ま、楽しくやれよ」

その言葉を残し、シドは手を振る。
飛空挺シエラは少しずつ遠ざかってゆく。

「さて・・・と?」

なぜか偉そうにザックスが仁王立ちでそう言う。
自分の言葉に振り返った面々を見回し、芝居がかった「んん・・・」という言葉とともに顎に手を添える。

「なぁ、この大所帯で野原を歩くのか?」

大所帯というのは、ザックス、クラウド、エアリス、ティファ、バレット、Red ⅩⅢの六(いや、一匹と五)人のことだ。
確かにねぇ・・・。とみな頷く。

「六人、だし・・・。三人ずつ、分かれちゃえば?」

エアリスがそう言うと。

「そうだな!ってことで俺は」

「ザックス、なんでエアリスの側に移動するんだ」
                  ナイト
「いやぁ〜?ほら、さぁ。姫を守んのが騎士の役目だろ?」

姫———エアリスは苦笑いをする。

しかし、そんなことでクラウドとの行動を逃すようなエアリスではない。

「じゃ、こっちには後1人、クラウド、来てね?」

「え・・・なんで俺が」

「いーから!わたし、神羅ビルから連れ出したの、クラウドでしょ?」

「そうだな。責任取れよ」

バレットの言葉で、ほぼ決定になる。
恐らく、娘だというマリンの恩人の言葉を尊重しての事だろう。
ティファは不満そうに眉根をピクリと動かしたが、それに気づいたのはザックスだけだった。

「じゃあ連絡を取りやすいようにPHSを渡しとくぞ。こっちはティファが持ってる。そっちはとりあえず、おめぇに」

そういってバレットは黒い携帯をクラウドに渡す。
エアリスは横から覗き込む。

「そんじゃなぁ〜〜〜!!!くれぐれも死ぬなよ!」



「・・・縁起でもないこと言うねぇ」

バレットたちが見送りの言葉を残して去ると、ザックスはつぶやいた。
そうね、とエアリスも笑う。

・・・仮に、同一の人物を愛した二人の男子がその人物と三人きりになったとして。
      コ
そして、その娘が無邪気にも最高の笑顔で笑いかけてくれたとしたら?



                                  俺、自分を抑えられるのかなぁ。







                            *Aerith side*

・・・というよからぬ考えをしている者がいることは露知らず。
エアリスは私服のピンクのロングスカートのすそを揺らしながら二人のほうを振り返る。
前かがみになり、にっこり笑いかける。

「じゃ、いこっか」

「おう!」

「ああ」

三人は思い思いにミッドガルへ背を向けて広い野原を歩み始めた。

エアリスはまた山のほうを見る。
なぜかって?







声が、聞こえるの。




星の声。


あったかくって、不思議な声。



花が咲いている。
一輪の、黄色い花。
エアリスは今までそこら辺に生えている花は見たことがなかったので目を輝かせる。

こんなに小さいのに、がんばっている。

とにかく外の世界は緑が多く、穏やかな気分になれた。
でも、それも少しミッドガルから離れたから。
さっきまでは荒地だった。
バレットが説明してくれた。

ここは、神羅が設置した魔晄炉から吸い上げられ、魔晄が枯れたせいで荒地と化しているのだと。

「太陽、もう沈みそう」

「今日はテントで寝ることになるな。あの辺りがいいんじゃないか?」

そういってクラウドは近く見える山を指差す。
ザックスは妖しい笑いを浮かべる。

・・・恐っ・・・

「え。三人一緒か?」

「んなワケないだろ。ちゃんとエアリスと俺達で分かれてる」

「・・・期待したのに」

「しないでよ、もう」

真っ赤な太陽は地平線の向こうに細々と光の線を残し、やがて消えた。