二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ  第 一 章 〜反旗〜 ( No.128 )
日時: 2011/01/15 21:33
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   Capter 27 —本当の力—



・・・あ



やばいかも。




エアリスはポケットとロッドにある穴を確認してそう思った。
なにせ、彼女が主力として使うべきマテリアがないことに気づいたのだった。
ブリザラとか唱えてザックスの力になろうと思っていたのにな。
物は試し?・・・やっぱり、無理。マテリア無しでできるわけないよ、魔法。

「!!!」

左からカームウルフが跳びかかる。
ザックスはそれを大剣で凌ぐが、今度は間髪いれずに反対側からももう一体跳び出してきた。
彼がそれに気づき、振り向いたときには猛獣の牙は目前に迫っていた。










ダメ—————!!!!








ぎゅうと目をつぶり、心の中で叫ぶ。
そうしたって何も意味がないことくらい、わかってるけど・・・。

しかしザックスの口から漏れ聞こえるはずのうめき声も、真っ赤で生暖かい彼の血しぶきもエアリスにはかんじられなかった。
ただ、ゴトリという音がした。

漂ってくる冷気が彼女の露出部分を軽く冷やす。

恐る恐る目を開くと・・・。


「すっげぇ・・・。すごいよ、エアリス!あんたってすごいよ!」

聞こえたのは、彼の簡単の言葉。
彼女の目に映ったのは———。


「・・・え・・・?」

モンスターたちは、大きな氷塊に包まれていた。
森の中で構えていた数十頭も、もちろんザックスに噛み付こうとしていたものも。
さっきの音は、ザックスに襲いかかろうとしていた一頭が凍り付いて空中から落下した音だったのだ。

氷付けられたモンスターたちは氷塊のなかで明けてきた朝の光を受けて一斉にまぶしくきらめいた。

なんで・・・?



わたし、マテリア持ってなかったのに・・・。




古代種だから・・・なの・・・?




「あ、ちょっ!?エアリス!!!?」

エアリスは疲れたせいなのか、まぶしい光の中でゆっくりと意識を手放していった。

                            *Cloud Side*

暗いテントの中、クラウドは隙間から差し込んできた朝日に目を覚ます。
寝過ごしてしまったようだ・・・。
クラウドは自前の金髪のツンツン頭をぽりぽりと掻く。

テントの出入り口の紐を引いてみると、思わず陽光のまぶしさに目を細めた。
隣のテントはエアリスのいるはずのものだが、なぜか気配がしない。

もう起きているのだろうか?


しかし、答えはすぐに見つかる。


「おーーい、クラウド起きたか!?ちょっと戻んなきゃなんねーかも!」

光の中、人影が何かを抱えて走ってくる。
その何か、は人影が近づいてくるにつれて判明してくる。それはぐったりと眠っているように抱えられた人—————

「!!エアリス!?」

「ああ、ちょっと。力を使いすぎたかもしれないんだ」

クラウドは目の前で苦しげに眠る彼女の額に手を添える。
熱い。

エアリスには熱があった。