二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ 第 一 章 〜反旗〜 ( No.132 )
- 日時: 2011/01/20 23:59
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y
Capter 28 —足手まとい—
クラウドはため息をついてベッドの淵に腰掛けていた。
読者の方々はだいぶ鈍くない限り、ベッドで眠っているのがエアリスだということを理解してもらえると思う。
いつもは白い彼女の頬は、熱のせいでほんのりピンク色である。時折眉をひそめる。
苦しいのだろう。
最近はクラウド自身が病気にかかることは無いのであまり覚えてはいないが、エアリスには苦しいかもしれない。
暖まってきた布巾を慣れない手つきでそっと持ち上げ、横に置いてあった水に浸して絞り、また額に乗せる。
マテリアでは普通の病気の治療ができないのが欠点だと、クラウドは思う。
「・・・どうだ、エアリスは」
ザックスが入り口から顔だけを突っ込み、エアリスを起こさないよう静かにささやく。
あまり良くないみたいだ、とクラウドも同じ音量で返す。
ザックスは黒髪をかき上げてつぶやく。
「・・・俺のせいだ・・・」
違う。
唐突に、クラウドはそう思う。
俺がちゃんと起きていて、二人のいないことに気づいて駆けつけていれば。
そう思うのだが、口には出せずにいる。
もう後悔しないように、強くなることを心に再度誓う。
「ク、ラウド・・・ザック、ス・・・。ごめん、ね・・・」
「!!?」
声がして、二人は顔を見合わせる。
エアリスが気がついたらしく、つぶやいていたのだった。
起き上がろうとする彼女をザックスが制す。
「わたし、やっぱり足手まとい・・・だよね。ティファとかのほうが良かったでしょ・・・?ごめん、ね」
悲痛なその言葉に、気づけばクラウドは首を振っていた。
エアリスは彼の予想外の反応に目を見開いていたが、かまわずクラウドは胸のうちを吐き出す。
「そんなこと無い!俺が・・・俺が悪かったんだ。あんたを連れ出しといて、危険にさらしてしまったから・・・」
「クラウドが悪いとは思わないけど・・・。でも、どっちにしろ真横にいて守れなかった俺も悪いんだ。ごめんな」
「ありがと、ふたりとも。わたし、その言葉だけで・・・。もう、充分だよ」
弱々しくエアリスはそう言って、ふたりに笑いかける。
すっかり照れてしまったクラウドはとりあえず視線を壁に向ける。
ザックスは眩しそうにエアリスの笑顔を見つめ、つられて笑う。
「さってっと・・・。俺はその辺うろついて金稼ぎでもしてくるよ。ふたりは休んでてくれよ・・・っと!」
ザックスは窓から飛び降り———※一応ここはカームの2階なのだよ———た。
驚いてエアリスは窓を覗き込む。
「ここって2階・・・」
「んじゃな!」
よくわからない決めポーズをしてザックスは颯爽と去ってゆく。
しかも、バスターソードを残して。
「・・・これ無しでも戦えるのかな?」
「ザックスだから平気だろ。俺が平気だし」