二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ  3月まで更新中止 ( No.139 )
日時: 2011/03/25 15:14
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: 今現在ライトニング依存症(黙殴呪焼射蹴斬殺爆 この浮気者!!!!

   Capter 30 —虹と夕日—


そんな想いを打ち消すように、扉を叩くノック音。
あ、と顔を輝かせ、ぱっとエアリスは立ち上がる。クラウドのほうを見れば、彼も頷いた。

「は〜い、い・ま・す・ぐ!!・・・ふふっ、晴れてきたね」

ドアのほうで振り返ったエアリスの言葉に、クラウドもつられて窓のほうを振り返る。
確かに雨は上がりつつあり、あんなに大量に降っていた雨もいまや小降りの状態にまで回復していた。

扉を開けると、びしょぬれのザックスが戸口に立っていた。
びっくりした顔のエアリス。タオルで体も、拭いてないのかな。そう想い、慌ててタオルを渡す。
不思議そうな顔でそれを受け取ると、ザックスは笑って「ああ、こんくらいへーきへーき!」と言った。
頭をぶんぶん振って、髪の毛から滴る雫を飛ばす。

「きゃっ、ちょっとザックス!冷た〜い!あははっ!」

子犬みたい。ザックス。
そのまま結局タオルを受け取った〝子犬のザックス〟は乾いたそれに顔をうずめた。

「あったけ〜。・・・あれ?エアリス、寝て無くても平気なのか?」

「うん!ふたりのおかげ。すっかり治ったみたいに元気!ありがとう!」

にっこり笑うエアリス。
女子にほめられたりするのには慣れているのだろうザックスはにっと笑った。

「じゃ、行こっか!」

「また体調崩すなよ〜?」

「もう平気だもん!それにもうこれ以上迷惑、かけませんっ」

最高の笑顔で微笑みかける。女神ってこういう人のこと言うんじゃないだろうか・・・。
ぼんやりとエアリスを見つめていたザックスはクラウドにぽん、と肩を叩かれる。

「テントは買っておいたぞ、ザックス」

「ナイス!流石クラウド君」

「ふふふっ、仲いいね〜子犬のザックス君!」

「子犬・・・?俺?なんで?」

「う〜ん、教えてあげよっかな。・・・やっぱり、ないしょ!」

そう言ってエアリスは駆け出す。
雨は上がり、太陽はもう山に差し掛かっている。
町も空もかすかにオレンジ色に染まり、暖かな雰囲気がある。
雨上がりの上昇気流は走り出した彼女の亜麻色の髪を巻き上げ、もてあそんだ。

「町の外まで競争っ!」

「あ、おい!」

「ズルいぞエアリス!待てよっ!!」







「おかーさん、虹が出てるよ!」

「本当だ。綺麗ねぇ。でも見て、ほら。二重になってるわ」

「本当だっ!すご〜いはじめて見たぁ♪」


虹が出ている。


気づいたのはその親子だけだったが、それは幸せの象徴のようだった。