二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ—序章—   コメント下さい!! ( No.75 )
日時: 2010/12/12 23:35
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)

   Capter ⅩⅣ —寝言—

                           *Aerith Side*

必ず、助けに来てくれるはずだと思った。
なぜかはわからない。
レノとの一騎打ちのときに感じたものと同じだった。
体の足のつめの先から髪の一本一本まで、体の隅々で
———そして心のすべての場所が、全身全霊に叫んでいた。

                                 クラウドは来る、と。

それは、彼女と彼が生まれる
———いや、もっとずっと前、世界が始まる前から約束されていたこと。
もちろん本人たちは頭で“知る”ことはなく、心や魂で“感じる”ことだけしか知らない。
とくに、その古代種の末裔がより強く感じる。
二人は、そのときから結びつくことも決まっている———。

                                  保健室。

「クラウド・・・。」

小さく発したその言葉は、エアリスの意識を引き戻す。
ぱち、と目が覚めた。
そこは薬のにおいが鼻を突く部屋で、カーテンも壁も全部真っ白だった。
何か、夢を見ていた気がする。
なんだったっけ・・・。思い出せない。
体の神経も起きだしてきたのを感じるとともに、自分の寝ているベッドの下のほうに、体重を感じた。
ゆっくりそこを見ると、人が頭を抱えて座っていた。
金髪の、ツンツン頭。
あれはやっぱり———。
ぴく、と彼の肩が反応し、ゆっくりと顔をあげつつこっちを見た。
そこには、見慣れたあの淡い輝きを秘めた瞳があった。

「・・・・・エアリ、ス・・・・・!?」

彼女上半身を起こしてふう、とため息をついた。
彼はふ、と頬の筋肉を緩めた。
あの笑顔の苦手なおなじみ、彼なりの笑顔だった。
エアリスはそれを見、うれしくなって急に動いてしまった。

「お、おい!!病み上がりなんだから、そんなことしたら・・・!!!」

彼が言うが、その忠告はもう遅かった。
立ち上がった体のバランスが、ぐらっと崩れる。

「わわっ!!!」

「うわっ!!!」

二人してベッドから落ち、床に落ちる。
エアリスがクラウドの上に落ち、下敷きにしてしまったような状態だった。
彼女が先に落ちていたら、したたかに頭を打ってしまったような感じだ。
即刻彼女が気づく。

「わっ!!ご、ごめん!!」

しかしどこうにも、二人とも足がベッドの上に乗っていて、動こうにも動けない。
・・・おまけに妙に密着している。
レノじゃなくてよかったと思うエアリスだったが、そうも言ってはいられない。
病室で、専用のロングスカートじゃなく、制服のスカートだったら体勢的にやばかったが、不幸中の幸いだった。

「ど、どうしよ、クラウド!!?」

「どうしようって・・・。どうにも・・・」

そのときだった。
シャ、とカーテンが開いた。
女の人のシルエットが見下ろす。

「まあまあまあまあ・・・。大変。クラウドさんが救出したプリンセスに襲われているわ」

「「ち!!ちがうって!!」」

二人は慌てて訂正する。
その人は、わかってるわよ、冗談冗談。と笑いながら
しゃがみこんだ。

「そ、それより早く助けてください!!」

「もう少しで直るでしょ」

「「え!?」」

足がずるずるずれていた。
どっすん、と二人して足が落ちる。

「きゃ!?」

「うわ!?」

「大丈夫??」

やっと見えたその人の顔。
それを見て、エアリスは気づく。

保健室のその先生は、あの有名なパイロット、シド・ハイウインドの助手をしている女性。
シエラだったのだ。