二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ—序章—   コメント下さい!! ( No.91 )
日時: 2010/12/23 21:30
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)

   Capter ⅩⅦ —席替え—

人工呼吸かぁ・・・。
でも、残念ながら(?)1st kissではないんだよねぇ。

エアリスは魔晄の光り輝くミッドガルの風景をぼぉっと眺めていた。
読者さんには理解してもらいたいのだが、これは授業中の頬杖ついてる彼女の心境である。
授業に集中しろよ!・・・とかこの主人公にツッコミたいところだが、作者が作者なのでそうもいかない。
・・・ということで、余所見をしていた彼女はクラウドにつつかれて危うくリーブに注意されそうなところを逃れるのである。
『エアリスって廊下側の席だったような・・・。』という驚異的な記憶力の持ち主の人にはわかってもらいたい。

さっき、席替えをしたのだ。

結構省略してしまったが、エアリスはめでたく一番後ろで左窓、右クラウドという嬉しい結果になった。
それを知ったとき、彼女は胸中で歓喜の心をはじけさせた。

ただちょっとした問題もあった。
そのときには、そいつのために、思わず心中に突如発生したもくもく雲を表情にも出してしまったものだ。

前の席には・・・。

「お!後ろはエアリスか。今回のくじ運はどうやら俺にもあったようだぞ、と」

そう、大方の予想通り、赤毛のこいつが来たのである。
まぁ・・・。ひたすら無視していれば、たぶん平気。
本人は最初そう思っていたが、好意を寄せる相手をほうっておくレノではない。

・授業中はめちゃくちゃ話しかける(←結果:リーブに注意されるという自滅行為だというのは言うまでもない)。

・一緒の班だとここぞとばかり無駄な話をする。

・・・もちろん、迷惑な奴以外の何者でもない。
しかし、それはエアリスにとっての授業妨害よりももうひとつのほうの妨害を大いに拡大させていた。


ク   ラ   ウ   ド   に   話   し   か   け   ら   れ   な   い   。


・・・・・本当に、ほんっっとうに、やめていただきたい。

そこで、エアリスは先日のことについて頭の中で討論、ということに没頭することに決め込んだ。
しかしクラウドに肩をトントンされ、その討論はぱちん、という音を立てて消え去った。
声をかけてくれたのはクラウドなりの優しさだと感じたし、何より彼から話しかけてくれたことに喜びすらも感じた。
レノがいたとしても今、クラウドのその態度にエアリスは幸せの絶頂だった。

                            *Tifa Side*

エアリスの気持ちと裏腹に、ティファは不機嫌の絶頂に達していた。
そのすべての気持ちを注ぎ込むようにして、勉強に熱中していた。

・・・だってクラウドともエアリスとも離れるし、それなのに私のことをほったらかしにして二人は“いっしょ”にいるのだから。

もう、なんなのよ、と眉根にしわを寄せている。
しかもなぜか、心の中で(二人が)“いっしょ”という言葉を繰り返すたび、イライラは募る気がする。

当然、ティファは知らない。
エアリスがクラウドのことを想っていることなど。

・・・そんな彼女が本人も知らないうちにリミットブレイクを発動。
そして鉄棒をすべてへし折ってしまったというのはまた別のお話。