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第35話『封印の傷跡』




スイクンがこの街に来て7日間が過ぎた。スイクンはすっかりこの街にとけこんでいた。
スイクンは人生で一番楽しい瞬間だと思っていた。


「よお、名前なんてんだったけ？」
ある日ヨウリュウがいきなりスイクンに話しかけて言った。
スイクンは口ごもった。スイクンは自分の名前をあまり知らない。
「おい聴いてんのか！」
ヨウリュウは相変わらずの短気だった。スイクンは焦る。
「え…えっと。フレーンで…」
しまった！。スイクンは焦った。昔の自分のあだ名を言ってしまった。
フレーンは、不完全という意味なのだ。
「ふーん。フレーンか。いい名だな」
ヨウリュウの意外な返答にスイクンはあっけにとられた。
「なんかこう…いい響きがするよな！」

このヨウリュウの発言を聞いてスイクンは確信した。
この人馬鹿なんだな…と。ヨウリュウはフレーンの意味が理解できていなかった。