二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 。*・。REBORN!短編小説をダラダラ。*・。 ( No.1 )
日時: 2010/09/20 21:54
名前: チフユ ◆j6drxNgx9M (ID: fKZGY6mA)

∮.師匠と弟子


※捏造入ります


———ミーが師匠に出会ったのは、いつ頃でしたでしょうかー。

「はぁ、はぁ・・・」
少年は走っていた。
腕一杯に何かを抱え、必死で走っている。
時々後ろを振り返れば、スピードを上げる。
それを何回か繰り返し、少年はほっと息をついた。
———彼の名は、フラン。
年は大体10歳ぐらいだろうか。
その体は痩せこけ、綺麗な筈の緑の髪は泥に塗れている。
しかし髪と同じ緑を湛えた瞳に、強い意思の光は無い。
フランは走るのを辞めると、腕の中の物を見た。
———沢山の食料だった。
そう・・・、彼にはもう、親というものは存在しないのだ。
イタリアの裏社会を支配する、“マフィア”のてによって・・・。
フランは盗んできた林檎にかぶりつくと、ペタリとその場に座り込んだ。
いつか必ず、マフィアを全滅させる———
そんな儚い野望を抱いて、フランは生きていた。


気付くとそこは桃源郷だった。
「———?」
フランはムクリと起き上がり、辺りを見渡す。
———あぁ、そうか、もう死ぬのか———
不思議と、絶望感や喪失感や、ましてや恐怖も無かった。
この穢れた世界から抜け出せる。
そんな気持ちが大きかった。
そんな時、どこからか、声がした。

「———・・・ほう、“クローム”以外にも、僕の器に相応しい人間がいたとは———驚きですね」

「誰だっっ!!」
フランは辺りを見渡す。
ふと見上げると、そこには1人の少年がいた。

「フラン、ですか。いい名前ですね———フラン」

これが、始まりだった。