二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リボーン 神様のドルチェ【雲雀のイラストupしました☆】 ( No.104 )
- 日時: 2010/10/26 19:54
- 名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)
第二弾「Ⅹ世」
「・・・何で俺がボンゴレ10代目だって分かった?」
「その指に填められたボンゴレリングを見れば分かります。“枷”の外された新しいボンゴレリングですか」
「———っな、何でその事を、」
知ってるんだ、とツナが言う前に、春はツナの視界から“消えていた”。
「・・・正確に言えば知っていたのではなく“知らされた”のですが」
「———な」
声がしたのはツナの後ろからだった。
ズン!、とツナの背中に長い銀色の棒———ユニコーンの角のような物が打ち付けられた。
ツナは悶絶する。
「か、は!!」
どしゃりと地面に突っ伏す。
春は静かに言った。
「これは私の武器———“月馬剣”。私の意志によって強度や切れ味が変わる」
「・・・何で、そんな物を」
ツナは起き上がりながら訊ねた。
相変わらずアリサは5人を相手に飄々と戦っていた。
ツナが何故こんな質問をしたか。
当たり前だろう。
トンファーやダイナマイト、日本刀や槍などは普通に日本に売っているだろう。
しかし意思で変わる剣など誰が持ち合わせているだろうか??
———勿論、そんな物は世界に存在しない。
春は答えた。
「これは私の父———9代目風月家当主が発明した物だからです」
「風月・・・?」
ツナは立ち上がって首を傾げる。
聞いた事が無かった。
「当然でしょう———風月家は代々“影”として存在して来たのですから」
ギィン!!
話している途中に容赦なく攻撃を加えてくる春。
ツナはイクスグローブで受け止めた。
めきり、と軋む嫌な音。
(———!!さっきよりも強度が増してる!!)
やはり春が言った事は本当だった。
ツナは月馬剣を弾くと春目掛けて突進した。
春は難無く月馬剣で受け止める。
———刹那、
・・・ずぶっ
「!!??痛———!!!!」
ツナの掌から、急に血が滴り落ちた。
ツナの手首を伝い、ぽとぽとと血が落ちる。
「ツナ!!」
山本が悲痛な声を上げ、ツナを助けに行こうとしたが、
「・・・私がお相手しましょう」
「ぐ!」
すかさずアリサが間に入る。
ボンゴレは、たった2人に苦戦を強いられていた。
「ぐっ!!」
ツナは月馬剣から手を引く。
深く入り込んでいたらしく、ズキズキと痛んで仕方ない。
春が静かに言った。
「言ってあったでしょう。切れ味は変わる———と。最も、13歳以下の子供には鈍器としてしか使えませんがね」
ツナは憎々しげに春を見る。
相変わらずの無表情だった。
そしてツナは———“それ”を見た。
「———あれは!」
春の左手の中指———そこにはⅠ世に枷を外して貰った、獄寺達と同じ形のリングが填められていた。
しかし、リングに填められている石はツナも見たことが無い“銀色”だった。
ツナが吃驚して放心状態でいる間に、春は真上に飛んだ。
ツナもそれに反応し、すぐさまターゲットを上空に確認すると、対空X・BURNERを発動した。
「———喰らえ」
“X・BURNER”!!
「っ!!」
今まで無表情だった春が少し大きく目を見開く。
コアァァ・・・とツナのイクスグローブがオレンジ色の炎を纏ったかと思うと、すぐさま恐ろしいほどの炎が噴射された。
ドガアァァァァァァァンンンッッッ!!!!!!!!!!!!!!
炎が春を襲う。
流石のアリサも春を見やり、心配そうに呟いた。
「———主———!!」
ツナは出し終わると、ガクリと膝を着いた。
どうやら渾身の一撃だったようだ。
「10代目!」
「ツナ!」
「沢田!」
「ボス・・・!」
「・・・・・・」
残りの5人が口々に言う。
アリサは何故かほっ、と息を吐いた。
———その理由は、すぐに分かる事になる。
「・・・まだその程度ですか、Ⅹ世」
「・・・な!!??」
ツナは戦慄した。
何故?
外した?
いや、確実に当たったはず・・・。
死んでもおかしくはない筈だったのに、あの至近距離で無傷・・・?
ツナの頭は混沌としていた。
春は月馬剣を構えなおし、体勢を低く取った。
今すぐにでも突進して行きそうな感じだ。
春が言う。
「今から、貴方を切り裂きます。悪く思わないで下さい。貴方が悪いのですから」
春は走り出した。
物凄いスピードだ。
あっという間にツナの目の前まで来てしまった。
(———不味い———)
ツナがそう思ったときには、春は月馬剣を一振りし、もう既にツナの遥か後ろにいた。
———沈黙、後、
ぶしゃっ———
ツナの両腕、両足から血が噴出す。
あまりの痛さと衝撃のせいで、ツナは声も出さずに倒れた。
春の月馬剣が銀色の光に変わり、消えていく。
そして春は静かに———リボーンに告げた。
「こんな物で宜しかったでしょうか?———“リボーン殿”」
あたりはまだ、混沌としていた。