二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リボーン 神様のドルチェ【雲雀のイラストupしました☆】 ( No.110 )
日時: 2010/10/27 19:05
名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)

「あぁ、完璧だぞ。ご苦労だったな」

その声を発したのはリボーンだった。

「「「な゛!!??」」」

獄寺と山本と了平が同時に声を発する。
獄寺はリボーンに詰め寄った。

「一体どういう事っすかリボーンさん!!」
「そうだぜ小僧!」
「どうなっているのか極限良く分からん!!」
「黙ってろ、後で説明してやる。———おいツナ、早く起きろ。痛みはあるだろうが・・・“血は出てない”筈だ」
「!?何いってんすかリボーンさん!さっき10代目は出血して———・・・!!??」

そこまで言って獄寺はハッとした。

・・・ツナの身体に痣こそあったものの、血は一滴も流れてはいなかった。

山本が首を傾げる。

「何でだ!?確かにさっきは、」


「———幻覚」



ぽつりと、クロームが呟いた。
了平がクロームに問う。

「クローム、気付いておったのか?」
「ううん。・・・今さっき。戦っている時は気付けなかった・・・」

クロームは深く俯く。
「気にするな」と了平が慰め、クロームは弱々しく顔を上げた。
すると春はすたすたとツナに近付くと、ツナの上半身を起こした。
春はツナを揺すりながら声をかける。
そこへリボーンも歩いていった。

「・・・Ⅹ世、大丈夫ですか」
「おいダメツナ、早く目を覚ませ」
「・・・ぅ、ん」

ツナはやっと目を覚ます。
とっくにハイパー化は解けていた。
間近に春を確認し、ツナは驚く。

「う、うわあぁぁぁっっ!!」
「ご安心下さいⅩ世。攻撃は致しません」
「うるせぇぞ、ツナ」
「え!?リ、リボーン??」

信頼の置ける家庭教師を見て、ツナは間抜けな声を出す。
獄寺達がダッとツナの周りに集まってくる。
勿論、雲雀は歩いて来たが。

「10代目!!」
「沢田!」
「ツナ、大丈夫か??」
「ボス・・・!」
「・・・やっぱりいつまでたっても草食動物は草食動物だね」
「皆!!無事だったんだ!」

ツナは心底嬉しそうな顔をする。
そんなツナを確認すると、春はすっ、と身を引いた。
すぐにアリサが駆け寄る。

「———春様!」
「アリサ」

春はぽつりと相方の名前を呟くと、肩を竦めて見せた。

「後味悪い」
「・・・仕方ありません。全てはボンゴレⅨ(9)世のお考えのままに」
「・・・・・・」


「・・・どういう、事??」



アリサの一言をツナは聞き逃さなかった。
春はツナの方を向く。
ツナは何も分かっていないようで、ぼけっと呆けている。

「・・・宜しいんですよね?」
「あぁ、全く構わねーぞ」

リボーンが許可を下す。
春はゆっくりとツナ達に話し始めた。

「・・・お初にお目にかかります、ボンゴレⅩ世。———私は“ボンゴレファミリー影部隊・風月家10代目当主”の風月春と申す者です。以後、お見知りおきを」

優雅に一礼して見せる春。
その横で、アリサは静かに言った。

「私はその風月家に仕えるアリサ・アリフェルと申します。我らが主・風月春の側近を務めさせて頂いております」

礼をするアリサ。
ツナが春に問うた。

「その、凄く申し訳ないんだけど、影部隊って・・・何??」
「影部隊とは、独立暗殺部隊ヴァリアーの様に表には出ず、影でボンゴレに関わる仕事を行う部隊です。最も、影部隊は我々風月家しかいないのですが、Ⅸ世———ボンゴレからは一番の信頼を置かれております」
「・・・そんな凄い部隊にいたんだ・・・」

ツナは呆然と春を見つめる。
リボーンが付け足す。

「それだけじゃねぇ。風月家は初代ボンゴレⅠ世の頃からずっと仕えてたんだ」
「な!?」
「マジですかリボーンさん!!」

獄寺とツナが声を上げる。
春は静かに頷いた。

「初代風月家当主はⅠ世と日本で出会い、交流を深め、友情を築いたのです。そして初代風月家当主がⅠ世から授かったのが———“月のリング”と“影部隊”の名誉。そして初代風月家当主はボンゴレⅠ世とイタリアに飛んだのです」
「月のリング・・・?」

了平が全く訳が分からないようにした。
春はスッと左手の中指を見せる。

「おい、俺達と同じリングだぜ!?」

山本が言う。
春は頷いた。

「そう。これは代々受け継がれ、今は私の手元にある。“月の守護者”の証。そしてそれが最近突然光り出したんです。何か異常が起きたのかとⅨ世に相談した所———貴方がたが未来で白蘭という悪党を倒したとお聞きしたのです」
「9代目が!」

ツナが驚く。
そして春は少しだけ悲しげな笑顔を浮かべると、言った。



「・・・私の父が作った“ボンゴレ匣”が役に立ったとお知らせされました」


「っっ!?どういう事!?」
「それは俺も初耳だぞ」

ツナが驚きの声を上げ、リボーンが言った。
春は言う。



「———ボンゴレ匣は、私の父が発明した物です」