二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リボーン 神様のドルチェ【500突破ありがとうございます!】 ( No.124 )
日時: 2010/10/30 18:20
名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)

第三弾「Overture〜序曲〜」

「・・・と、クロームはこのままここにいる?」
「うん。お疲れ様ボス」

黒曜ランドの出入り口でツナはクロームに確認を取る。
案の定、クロームはここに残るようだ。
ツナの言葉から発せられた名前に、春は眉を寄せた。

「・・・クローム?」
「あ、うん。クローム髑髏。霧の守護者なんだ。連絡とか入ってないの?」
「入っていますが・・・“六道骸”ではないのですか?正式な書類にはそのように上記されておりますが・・・」
「あ・・・」

クロームがか弱い声を出す。
ツナが慌ててなだめた。

「あ、その、そいつ、今は・・・“復讐者ヴィンディチェの牢獄”に入ってるんだ・・・だから、骸の分身でもあるクロームが今は務めてるんです」
「いえ、それは構わないのですが」

復讐者の牢獄———そこは地獄と変わらない場所と聞かされている。
そんな所に守護者の1人が———ボンゴレは興味深い。
ツナが言った。

「じゃあ行こうか。・・・って、雲雀さんもう帰ってるし!」
「困った奴だな」

リボーンの言葉に全員が頷く。
アリサはこそりと春に耳打ちした。

「・・・春様、確認を取るには今しかないかと」
「・・・・・・」

その言葉に春は顔を上げると、クロームの方へと歩み寄った。
誰も気付いていないし、不審には思っていない。
クロームは少しだけ自分よりも大きい春を見上げた。

「・・・月の人・・・?」
「春で良いよ。名前はちゃんとある」
「・・・ごめんなさい・・・春・・・??」

疑問系で言ったクロームに思わず笑いそうになったが、春は堪える。
そして言った。



「———君の名前は本当に“クローム髑髏”なの?」


「———・・・っっ!!??」

身震いがしたのをクロームは確かに感じ取った。

本当の名前は、“凪”。

しかし、その名は当の昔に捨て、骸から新たなる名前を授かった。
そうだ、自分はクローム髑髏なのだ。
凪には何の絆も無い。
でもクロームには、骸を始めとする沢山の絆を刻んでいる。
そうだ、私は“クローム髑髏”だ。

「・・・そう。私の名前はクローム髑髏」
「なら、良いんだけどね」

じゃあ、と春は言うと黒曜ランドを後にツナ達を追いかけて行った。

「・・・春」


私を、知っている?





「———じゃあ、俺達と一緒に住むんだ」
「お世話になります、Ⅹ世」

ツナの家へ向かう路地で、ツナとリボーンと獄寺と山本と春とアリサは楽しく談笑していた。
了平は用があるらしく、途中で別れた。
そんな中、山本は熱心にアリサを見ていた。
そんな山本の頭にチョップを喰らわす。
ビシィ!

「いって!!何すんだよ獄寺」
「こんの野球馬鹿が!人の顔をジロジロ見んな!」

火を吹く獄寺を見ながら山本は「わりぃわりぃ」と悪気が無さそうに謝った。

「いや、アリサって誰かに似てんな〜って思って見てたら・・・スクアーロに似てんのな!!」
「・・・いわれてみりゃそーだ!」
「良く気付いたね山本!」
「山本は良く人を見るからな」

獄寺とツナとリボーンに褒められ、山本は頭をかく。
確かにアリサはスクアーロをそのまま金髪碧眼にしたような容姿だった。
春が少し目を丸くして山本を褒めた。

「・・・良く気付いたね、山本」
「“スクアーロ”をご存知なんですね!?」

アリサが目を輝かす。
そんなアリサの反応を見て、ツナは吃驚した。

「アリサって・・・スクアーロと知り合いなの?」
「知り合いなんて・・・そんな遠い関係ではありませんよⅩ世」

春が言った。
「じゃあ何だ?」と獄寺が訊ね、アリサが答えた。



「———スクアーロは、私の“実の弟”なんです」


「「え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」」

獄寺とツナが大声を上げた。