二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リボーン 神様のドルチェ【お手数かけます改名しました】 ( No.138 )
日時: 2010/11/02 19:18
名前: 霧氷 ◆vll3drelnA (ID: 2Sdxx4yv)

「じゃあ、春とアリサはこの部屋を使ってよ。狭いかもしれないけど・・・」
「いえ、十分です。恩に着ますⅩ世」
「じゃあ、何かあったら俺んとこ来てくれればいいから!夕飯になったら呼び行くね」
「はい」

そういってツナは春とアリサの部屋を後にする。

「じゃあ俺も行くぞ」

リボーンも歩き始める。
———しかし、



「あ、恐れながらリボーン殿」


「・・・?」
「何だ、アリサ」

アリサがリボーンを引き止めたのだ。
リボーンはアリサに問う。
春は何がどうなっているのか分からないといった表情だ。
アリサは静かにリボーンに言う。

「・・・お話したいことが」
「ちょっとアリサ、貴女がリボーン殿に話したい事なんて無い筈だよ」
「———しかし主、」


「俺は構わねーぞ。丁度話したい事もあったしな。・・・春、アリサを借りていいか?」



春に責められるアリサ。
そんな状態のアリサの言葉を遮り、リボーンが春に確認を取る。
春は少々納得のいかない表情をしたが、すぐにリボーンに笑顔を向けると、ポニーテールに結わえていた髪のゴムを外しながら言った。

「リボーン殿の頼みとあらば仕方ありません。構いませんよ」
「ありがとな。・・・じゃあ行くぞ、アリサ」
「はい。———すぐ戻りますので」

アリサは春に申し訳なさそうに頭を下げた。

「別にいいよ。気にしてない」

春は素っ気無く言ったが、黄色黒い瞳には暖かな光が宿っている。
それを確認すると、アリサとリボーンは静かに1階のリビングへ下りて行った。





「———その情報は確かか?」
「はい。今回は風月家の上層部の者を行かせたので・・・間違いありません」

誰もいないリビングでアリサとリボーンは対話をしていた。
そこの空気は緊迫感が漂っており、何事にも2人が敏感になっている様子が良く分かる。
リボーンが言う。

「・・・そんな“ファミリー”聞いた事ねぇが・・・」
「そうでしょう。奴らは今まで“影”で動き、勢力を強めていました。・・・調べによりますと、随分昔から存在しているようです。時期ボスは今年で“52代目”です」
「52代目・・・?ボンゴレよりも歴史が深いな」

アリサは頷き、1枚の写真をリボーンに手渡す。
リボーンは眉を寄せて、アリサを見ながら確認をとった。

「・・・時期ボスは、コイツか?」
「間違いありません」
「・・・春はこの事を知っているか?」

リボーンの問いに、アリサは首を振った。
リボーンはそうか、とだけ言うと、写真を丁重に折りたたみ、アリサに返す。
アリサは受け取りながらリボーンに言う。

「しかし主がその事に気付くのも時間の問題でしょう。———・・・Ⅹ世様達にはご迷惑をおかけしてしまうかもしれません」
「構わねぇぞ。ツナ達も、今の実力を呪っただろ。いい修行になるしな」
「そう言って下さるとありがたいです。・・・しかし、」
「“気にするのは春”だって言いてぇんだろ」

リボーンがアリサの言葉の先を読み、言った。
アリサが頷く。
リボーンはニッ、と笑って言った。

「アイツは見かけによらず優しいからな。絶対に気にするな」
「はい・・・」

アリサが頬をかく。
リボーンは言った。

「そこはツナも気にするなって言って譲らねーだろうからな。いい感じにバランスが取れるんじゃねぇか??」
「そう・・・ですね。Ⅹ世はお優しい方ですし」
「それがたまに凶と出るんだけどな。・・・じゃあ、この話は今日の所はお終いだ。そろそろママンが帰ってくるからな」

リボーンがピョンッと椅子から飛び降りた。
そうですね、と言ってアリサも笑いながら椅子から立つ。

———黒い影が既に動き出していることに、まだ2人は気付いていなかった。