二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リボーン 神様のドルチェ ( No.70 )
- 日時: 2010/10/17 14:12
- 名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)
大人マーモンを見た事がない筈のベルが、一発でマーモンを当てた。
スクアーロと山本、そしてマーモンさえも吃驚した。
マーモンがベルに言う。
「・・・やぁベル。任務はもういいのかい?」
「ししっ、王子にかかっちゃ余裕余裕♪」
「・・・お前よく帰ってこれたなぁぁ」
「んー、ボスが帰っていいって言ってくれてさ。たっくさんマーモン苛めてやろうと思ったんだけど・・・こういう緊急事態だった訳?」
ベルがマーモンの頬をツンツンと突っつく。
マーモンはベルを見上げて言った。
「ベル、後で覚えてなよ。・・・それと」
「??」
マーモンは沢山ナイフが刺さっているドアを指差した。
「後でこれ、ちゃんと片付けておきなよね」
ベルはベッ!と舌を出す。
「バーカ。王子がそんな事するはずないじゃーんっ☆という事で隊長、よろしく」
「・・・三枚下ろしにされてぇかぁぁ?」
「遠慮しとく〜」
「・・・仲良いのな♪」
山本がそういった瞬間———、
ブワァッ!!
再び藍色の霧が蔓延した。
まさかのデジャヴにスクアーロが反応する。
「!!まさか!」
「な、これは!?」
「鮫隊長、何かマーモンのおしゃぶりから霧が出てんだけど・・・!」
ベルが驚く。
山本はどうなっているのかよく分からず、ただただ呆然としていた。
霧がすうっ、と引いていく。
ベルの腕の中に納まっていたのは、いつもの小さなマーモンの姿だった。
スクアーロは思わず倒れそうになったが、辛うじて壁に寄りかかるだけで終わった。
ベルがギュッとマーモンを抱きしめる。
「いつものマーモンに戻った♪」
「———マーモン、お前何か我慢してたのか??」
リボーンに言われ、マーモンはうっ、と息を飲んだ。
スクアーロとベル、マーモンとついでに山本は今ツナの家にいた。
一応元に戻ったマーモンは何故呪いが解けてしまったのかを知るべく、山本にツナの家まで案内させたのだ。
家にはリボーンが1人だけいた。
どうやらツナはランボとイーピンを連れて出掛けている様だ。
マーモンは俯いて、リボーンの質問に答えない。
リボーンが言った。
「ヴァリアーの事は良く分からねーが、最近皆任務に追われてて、皆で騒げなかったんだな」
「あったりー♪流石って感じ?でも、それとこれとどう関係あんの??」
リボーンが少し考えてから、マーモンを見て言った。
「寂しかったんじゃねーのか?」
「っ!リボーン!!!」
マーモンが頬を染めて叫ぶ。
スクアーロは吃驚しながらマーモンに問う。
「金にしか興味がないクソチビだと思ってたのになぁ・・・」
「俺も同感。意外と寂しがり屋だったんじゃん」
「煩いね」
リボーンがひょいと山本の肩に移り、続ける。
「おしゃぶりは呪いの対象者の感情に反応することがあるみてーだな。だから呪いが一時的に解けたんだ」
「・・・試されたみたいな言い方だね」
「でも、寂しかった事に変わりはねーんだろ?」
ニッ、とリボーンは笑いながら言う。
マーモンはまた俯く。
ベルがぎゅっと抱きしめながら言う。
「可愛いとこあるじゃん?寂しかったら言いなよ。苛めてやるからさ♪」
「・・・遠慮しとくよ」
「隊長も遊んでくれるってさ」
マーモンはスクアーロを見上げる。
スクアーロは頬をかいて言った。
「・・・仕方ねぇなぁ・・・。またこんな事になっても仕方ねぇからなぁぁ」
マーモンはハッとして、また俯いた。
———寂しがり屋の霧は、もう1人じゃない。
—fin—