二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂&妖界ナビ・ルナ ─白ノ夜叉、銀ノ御子─ ( No.6 )
- 日時: 2010/12/10 19:03
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: 5YaOdPeQ)
*第二訓 無駄に疑い深い人っているよね
「あれ、こんな所で女の子引っ張って行くとかうわ、不審者ー?」
「トシ、女の子を無理やり引っ張って行ったらダメでしょ!」
其の声に、ルナはぱっと後ろを振り返った。
其処に居たのは銀色の髪をポニーテールに結わえた少女と、金に近い明るい茶色の長い髪を持つ少女だった。二人とも綺麗な琥珀色の瞳をしている。
「何? 特別警察って言って、実は真選組ってロリコンの集まり? そこんとこどうなってるの多串君」
「多串君じゃねェ銀メダル。見ろ、其の餓鬼。どう見ても普通じゃねェ格好してやがるだろ」
どう見ても普通じゃねェ。
その台詞に、ルナはぎゅっと唇を噛んだ。この世界ではルナは「普通では無い」のだ。其れは分かっているのだが、やはり傷付く。
「やだなぁ、トシ、何言ってるの? 此の子、万事屋への依頼者だよ?」
茶髪の少女の言葉に、ルナは大きく目を見開いた。
今、此の少女は何と言ったか。“よろずやへのいらいしゃ”と聞き取れたが、意味が分からない。
「そうそう。まぁそういう事だから」
銀髪の少女がぐっとルナの右手を握る。
「え、あのっ……」
「し、静かにしてね」
困惑するルナの耳元で、茶髪の少女が言った。ルナと眼が会うと、にこりと笑う。
「美人」と「可愛い」を足して二で割ったような、とても整った顔立ちだ。
「じゃぁね、多ぐ——」
「待て」
銀髪の少女の言葉をすぱんと切断する様に、男が言った。少女は「何?まだ何かあるの?」とでも言いたげに振り返る。
「お前等二人、何帯刀してやがる」
(……たい、とう?)
訊き慣れぬ言葉に、なんとなく二人の腰もとに眼をやる。
「あ……!!」
二人の少女の左腰。其処にそれぞれ長い刀が下げられていたのである。
瞬間、少女達はぱっと顔を見合わせ、ニタリと笑う。……いや、笑ってはいるのだが、その額には青筋が浮かび上がっていた。
「和月、逃げようゥゥゥ!!」
「激しく賛成ィィ!! 穂乃嘉、れっつごー!!」
銀髪の少女がルナの右手、茶髪の少女が左手を掴み、凄まじい速さで走り出した。