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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く 月奈誕生日編up! ( No.59 )
- 日時: 2010/11/06 20:20
- 名前: 瑠々 (ID: MQ1NqBYl)
第十四訓「十年前の出来事」
———あれは十年前・・・・。
私と凛は忍者の名門、夏空家の娘として生まれた。
歩ける様になってから厳しい訓練に耐え続けた。
何度も親から叱られた。でも、負けずに訓練に耐えられたのは、凛が居たから。
「私、大きくなったらこんな家出て行ってやる。
そして結婚して、幸せになる!」
私と凛が寝る前にいつも言っていた言葉。
双子だからこそ分かり合える。
双子だからこそ一緒に頑張れる。
ずっと、そう思ってた。
———でも、そんな事いつまでも言う筈無いのに・・・。
私達が大きくなるに連れて、周りの期待が大きくなって行った。家から一歩外に出れば近所の小母さんから、「流石は夏空家の跡取りね!」とばかり言われるようになった。
ずっと我慢してた。
ずっと堪えていた。
でも、小さな子供にそんな事がいつまでも出来る筈が無い。
私達は精神的にも、体力にも限界が近付いて来た。
そんなある日———・・・。
夜、ぴったりと引っ付けた布団に横たわり、私は凛に「明日も頑張ろうね」と言った。
すると、
「蓮。私、夢が出来たの。それは、日本一の忍者じゃ無いの・・・」
凛は遠慮がちに言った。
「私の忍術を使って、小さな子供を笑顔にしたい」
それは、スパイの様な働きをする私達、忍者とは
ほど遠い夢・・・。
その瞬間、私の心に憎しみ、殺意が生まれた。
私はその生まれたばかりの感情をコントロール出来ず、
————凛を殺しかけた・・・・。
私は、凛を行方不明になったと見せかける為、遠くにある孤児を預かったりしていた村塾に送った。
「私が十年経った今、依頼をしたのは、
私の心から凛への憎しみや殺意の感情が消えるまで
待っていたからなの———・・・・」
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