二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ___さらば、愛しき人.*.゜ 【薄桜鬼】 ( No.3 )
- 日時: 2010/10/01 21:12
- 名前: 白兎 ◆0nP86ByjUs (ID: 7jEq.0Qb)
- 参照: ありがとう......貴女に伝えられたら、どれだけ良かったのだろう
*第一章 【我ノ償イノ意味ヲ知ル...】
——————ぎいゃぁああああああ!!!!!!!!
京の街に響く、甲高い断末魔。
静けさが広がる京は、その声を余計強張らせた。
さっと、閉まり始める店。
「また、浪士たちか」と呆れ気味に見る街の人々。
そんな色々な静けさが交わる街の中で
———……一人の男は立っていた。
「兄ちゃん、そんなとこに突っ立ってたら斬られちまう。うちに入んなさい」
『平気です、お気遣い感謝』
どこかの店主が彼に声をかける。
しかし、彼は闇に身を隠すようにして微笑んで礼を言う。
店主もしばらく、「危ない」と粘っていたが、青年は断り続けたので呆れてその場から去っていった。
『————京の街、あの人たち何してるの?』
青年は、漆黒のような黒髪を揺らしてため息をついた。
瞳は紫、服は赤い桜が舞っている女物の着物。
———腰には二本の刀。
少しずつ歩みを進めれば先程の断末魔が再び聞こえてくる。
青年は少し眉をひそめて、あたりを見回す。
—————このあたり、かな。
すっと振り返れば、例の男数人がいた。
いや、もう既に闘いは終えている。
まず目に入ったのは、
—————生臭い血と、息絶えている浪士。
そしてその血を旨そうに飲んでいる浅葱色の羽織を着た白髪の男。
「……血、血だ…ぁ…血をよこせぇぇぇ!!!!」
『逝かれてる…、ここまで成り下がって…』
青年はまず足、腕を狙い無力化した———はずだった。
____シュゥ
『なっ…、もう…人間じゃない』
深く斬った筈の切傷は、何事も無いかのように消え失せる。
青年は複雑そうな眼差しで、ため息をついた。
『…あんまり、人は殺す術を使うと…姉さんにしかられてしまうんだけれど』
苦笑いを浮かべつつ、彼は一歩踏み出した。
____ザシュッ!!
瞬殺、だった。
心臓を一突きし、喘ぐ間もなく白髪の男は崩れ落ちた。
『痛みも無く、逝かせてやったのは———俺に害を及ぼさなかったからだ』
そっと、頬に付いた血を拭うと目を閉じる。
気配は三つ。
青年は、スッと様子を伺うため物陰に身を隠した。