二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: らぶっ! 【学園BASARA】 ( No.15 )
- 日時: 2010/10/11 22:45
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
- 参照: あいらぶゆー!
1、さすけっ!
那塚稜弥は壮絶な眠気と戦っていた。
昨晩、夜遅くまで同居人で親友の真田幸村と太鼓の達●をしていた為である。
幸村の壮絶なるスコアを越えることが出来ず、負けず嫌いな稜弥はもう1回、あと1回、これで最後と永遠に勝負を挑み続けたためである。
眠たいのは幸村も同じであり、もうすでに机に突っ伏して教科書バリアを張って寝ているようであった。
『(駄目だ……寝たい……瞼が勝手に下りてくるよ何これ俺はどうすればいいんだ……? いかんいかん、起きろ俺、眠気なんかに負けてたまるか……)』
ぽかぽかと心地よく日差しがあたる窓側の席という事もあって、稜弥の眠気はもう抑え切れられなくなっていた。
しかも今は片倉先生の数学授業。寝ているところを見つかってしまえば、もれなく極殺モードでの説教&反省文が待っている。
片倉先生の極殺モード説教、怖い上に長いし、ずっと正座だから足がものすごーく痺れる。
以前誤って片倉先生の大切な畑に植えられている大切な植物の苗を踏んでしまった事がある稜弥は、その恐ろしさを知っていた。
しかし眠たいものは眠い。
もう何度首がかっくんかっくんなった事だろう。
さっき夢見かけた気がする。もう俺寝てるだろコレ。
今は、ただ先生に問題に答えろとご指名されない事を祈るばかりである。
もう眠すぎて死にそうになっている稜弥は、必死に起きているとアピールする為に芯を出していないシャーペンを揺らした。
「じゃあこの問題を、那塚!!」
黒板の方で、低い声が自分の名前を呼ぶのが聞こえた。
……俺は知らない内にフラグを立てていたようだ。
心の中で、稜弥は絶叫していた。
『(ヤバいヤバいヤバいご指名来ちゃったよどうしようゥゥ!! 問題!? 問題分からないどうしようというか解き方すら聞いて無かったよ!!)』
冷や汗が急に出てきた気がする。
『……え、あ、えーと……』
アホみたいな声を出して、少し時間稼ぎをする。
まったく分からん、どうしよう!
もう極殺モード説教を覚悟した、その時だった。
とんとん、と隣の席に座っている奴がシャーペンで俺のノートを叩いた。
反射的に見ると、そこには「3X」と書かれていた。
『さ、3Xですっ!!』
「正解だ。では次の問題を———……」
正解だと信じて発表したら正解だった。
片倉先生は稜弥から視線を外して、次の人を指した。
良かった、と胸を撫で下ろした。
た、助かった……!
「まったく、あんな遅くまでゲームしてるからだよ」
『……仰るとおりです……』
隣で稜弥に正答を教えてくれたのは、稜弥の同居人である猿飛佐助であった。
稜弥の親友で、家事もこなす器用な男である。
『ありがと佐助、俺お前が居なかったら死んでたよ』
稜弥はそう佐助に言う。
「俺様ハラハラしたんだからね。今の稜弥を先生が指したらどうしようって。感謝してよ」
佐助はため息混じりにそう言った。
『してるじゃんか』と稜弥は膨れる。
それと同時に、終了を告げるチャイムが高らかに鳴った。
! つづくっ !