二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 闇と光(戦国BASARA) ( No.2 )
日時: 2010/10/13 16:03
名前: まゆり ◆wqvYBqrGD. (ID: OPVNjM8g)

第壱話「政宗様」

「母上、苦しい……!!」
寝台の上で、苦しそうに息をする政宗様。5歳の時のことだった。
「政宗、どうか耐えて……! お医者様が、必ず救って下さります!」
この時の母君は、懸命に生を繋ごうとする政宗様の味方でした。
「政宗様、頑張ってください! もう一度私と遊びましょう!」
政宗様より2歳年上で、7歳だった私も、必死で政宗様を応援した。
「美優、母上……!!」
苦しそうに顔を歪め、必死で私達のことを叫ぶ。

政宗様は、どうにか一命をとりとめました。
ですが、失明した右の眼球が飛び出してしまわれたのです。
あのときは必死に応援していた母君も「化け物」と言って政宗様を軽蔑しました。
父君も「あんな化け物に後を継がせられない。やはり後継ぎは輝宗か……」と仰っておりました。

「政宗様、私と一緒に遊びましょう?」
「……嫌だ」
膝を抱えて、なるべく自分の顔を見せないように下を向いていた。
「政宗様……」
母君からも父君からも見捨てられた政宗様は、次第に心を閉ざしてしまわれました。