二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リボーン ボンゴレ学園 ( No.47 )
日時: 2010/10/25 23:21
名前: ちくわ♪ (ID: NN.yKTYg)


 お菓子をくれても悪戯するぞ♪ボンゴレ学園ハローウィン!

 第一話

 昼間は明るい光で街を包んでいた太陽も姿を隠し始め、空はゆっくりと夜の気配を見せ始める。
「ハロウィンなんて久しぶりだぜ」
 ボンゴレ学園のピロティには、奇怪な姿をした者たち…否、変装をした生徒たちが集まっていた。
「山本その格好似合ってるね!」
 小人のような服を着た山本を見て、魔法使いのマントを羽織った綱吉があはは、と楽しそうに笑う。
「そっか?」
「10代目、10代目!野球バカはともかくその格好も実にお似合いです!迫力がありますよ!!」
 獄寺が山本を押しやって綱吉にいう。
「そ、そう…?あれ、獄寺君は変装しないんだね」
「え、ええ。まあ」
 変装とか自分は恥ずかしいんで…と獄寺が頬を掻いているのを見て、獄寺君なら猫耳とか面白そうだな…と綱吉は心の中で思った。
 当然、口にが出さなかったが。
「…ボス」
 鈴の音のような声に綱吉は振り返る。
「クローム!…あ」
 思いがけないクロームの変装に綱吉は顔を赤くした。
 レースをあしらった黒いツーピースのミニドレスに小さな翼。
「えっと…悪魔?」
 …こくん。
「か、可愛いよ、クローム…」
「…ありがと」
 うつむいて礼を言った後、クロームはふいにパッと顔を上げ、恥ずかしげにはにかんだ。
「ボスも…いい」
(クロームも楽しみにしてたんだろうな…ハローウィン)
「ありがとう」
「うん…。?」
 クロームが首をかしげて辺りを見た。
「どうした?」
「…何か、視線」
「視線?」
 きょろきょろと辺りを見てから、綱吉はぎょっとした。

「…はぁ…はぁ…僕の可愛い可愛いクローム…なんて可愛いんでしょう…クフッ…クフッ…クフフフフ…」

「骸ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「…骸様…!」
 木の陰からクロームを見つめる骸。今の彼を代名詞で表すなら、変態という言葉がぴったりだろう。
「骸っ!お前何してんだよ!」
「クフフ…可愛いクロームを陰から見ていただけですが何k…クハァッッ!!!!!」
 鈍い金属音とともに突然倒れた骸。
「え!?骸!?…あっ」
 その後ろにいたのは、
「雲雀さん!」
吸血鬼の衣装を着た雲雀であった。
「君のせいで空気がけがれる。呼吸しないで、っていうかこの学校に二度と足を踏み入れないで。死んで」
 屍となった骸の髪のヘタを容赦なくつかんで引っ張っていく雲雀。
(あいつよく髪抜けないよな…いつかそこだけはげんぞ…)
 おろおろと骸を見送るクローム。
「君たちも」
 キッと綱吉たちを見る雲雀。
「学園の風紀を乱すようなことしたら、吸い殺すから」
「…は、はいぃっ!」
 慌てて返事をすると、
「……」
 一瞬雲雀は微妙な表情をして、骸を引きずったまま焼却炉へと去って行った。
(あ…)
「…もしかして…」
(今の吸い殺すには突っ込んだ方がよかったのかな…)
 
 とにもかくにも。
 こうしてボンゴレ学園の一大行事、ハローウィンは始まったのであった。