二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID日記 ( No.1 )
- 日時: 2010/10/15 12:53
- 名前: ワタアメ ◆l7RO86Kdhc (ID: CbmxSfx3)
(KAITO 甘切)
「メロディ」
この前、買ってきたカイト。
インストールしてから毎日歌の調教を手伝っている。
だけど……。
「はい、次はサビの部分ね!」
「マスター、まだ歌うんですか?僕、もう喉がカラカラで……」
マイクを握り締めながら、そう言うカイト。
「もうちょっとで終わるから!ねっ、頑張ってカイト!」
「うー、分かりました……。んっん、
はーじめ゛てー み゛たアナタの゛ー笑顔があああー」
そう、このカイト、すごく「音痴」で……
「はい!ちょっとストップ!!」
思わず歌を止めてしまった。
ちらりとカイトの方を見る。
あああ、カイトったらまた落ち込んでる。
「マスター、ごめんなさい、僕、音痴で……まともに歌も歌えないなんて、ボーカロイド失格ですよね…」
「そ、そんなことないよ!カイトは頑張ってるじゃない!この前よりも少し歌上手くなったし……」
必死に励ましてみるけど、無駄だった。
体育座りで顔をもっと埋めて落ち込んじゃった。
「だって、いっつも音程間違って、マスターが、せっかく、せっかく作ってくれたメロディもっ、台無し、だしっ」
「カイト…」
顔を上げてそう言ったカイトの目には、涙が溜まっていた。
「カイトは、音痴だけど」
私が「音痴だけど」というとカイトが私を涙目で見上げた。
「だけどね。私はそれが悪いこととも、メロディが台無しだとも思ってないよ。」
「え……」
「音痴だったら、これから練習して、上手くなろう?メロディが台無しっていうけど、私はカイトのためにメロディを作ってるんだもん。歌ってくれてるだけでも嬉しいよ」
カイトの目から滴が零れた。
「だからね、心配しないで」
「マスター!!ありがとうっ!!」
嬉しそうに抱きついてくるカイト。よかった、やっと笑った。
「ふふ、だから、今日はもうここまでにして、アイスでも食べよう?」
「アイス!?やったあああ!!」
………
……
……
カイト、私はあなたの笑った顔が一番大好きだよ
END