二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 余命数ヶ日のボーカロイド 〜初音ミク〜 ( No.1 )
日時: 2010/10/15 13:26
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)

 マスターに告げられた。もう終わりだ、と。

 何が?
   歌が?
 声が?
  …命が?

 その問いにマスターは無言を通した。
 何が終わりなのだろう。
 何で皆、そんな悲しそうな顔するんだろう。
 私、何も知らない…。

 いや、気づいてはいるんだ。
 マスターが何を言いたいのか。
 皆がなんでそんな悲しそうにするのか。
 
 だけど、気づかないフリをしてるんだよ。
 言葉にすれば、それが《本当》になってしまいそうで。

 私は…終わるの?
 終わってしまうの?
 あと何日?
 何日で終わるの?
 怖い…。
 終わることがじゃない。消えることがじゃない。
 …皆に忘れ去られてしまうことが。
 

 歌だって、歌いたい。
 言葉だって、紡ぎたい。
 それは…モウジキ消エテ無クナル?

 嫌だ。嫌だ。消えたくない。終わりたくない。
 だって…歌…届けたい。
 皆に。
 ヒトに。
 


 「マスター。何してるの?」

 ある日。あの時。あの場所で。
 私は熱心に何かを創るマスターの背に訊いた。
 マスターは振り返ると笑顔で。

 「歌を創ってるんだよ」

 そう言ったんだ。
 何の?
 私は気になった。
 マスターが歌を創るところを久々にみたから。

 「…ハジマリの歌…」